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エンジニアの生き方

設計開発を続けてきた現役だからこそ、60代で理想の再就職に成功! 定年後も仕事に趣味に、セカンドライフを満喫するシニアエンジニア。

37年間勤めたメーカーで定年を迎えたのを機に、S.T.さん(以下:Sさん)はエンジニアとしての技術と経験を活かしてアルトナーに再就職を果たしました。初めて担当する業務に不安があったと言いますが、自分の息子と同世代の仲間と一緒に、新たなスキルを吸収することを楽しみながら仕事に取り組んでいます。
(取材・記事執筆:アルトナー取材班)

Profile

請負・受託グループ
ソフトウェア エンベデッド S.T.

2018年 アルトナー入社
〈役職・年齢・業務内容等は取材時のものとなります。〉

ソフトウェア、ハードウェア、
ファームウェアのエキスパートとして
エンジニアから工場長、開発部門の責任者まで歴任。

前職では、入社以来37年に渡り、マイコンボードや画像処理ボードの設計に携わってきたというSさん。入社してすぐの仕事は、大手電機メーカーの工場への出向でした。そこでは、画像処理や画像関係のソフトウェアとハードウェアの設計開発を5年ほど行っていたそうです。その後、会社に復帰してからは、原子力発電所や石油プラントの工場などの大規模な工業用テレビジョンシステムの設計部門において、やはりソフトウェアとハードウェアを担当しました。60歳で定年退職するまでひたすらその仕事に従事。時折、作った製品の設置などで客先に赴くこともありましたが、ほぼ設計開発の業務一筋に働いてきたそうです。

そうした中で11年前には部下50名を率いる工場長に、5年前には自社製品の開発部門を立ち上げて責任者に就任するなど、マネージャーとしても活躍。どちらかというと、プレイングマネージャーとして実業務に近いところでやっていたと言いますが、その間も新しいことには常に取り組んでいたそうです。

「部下と上司が逆転する関係で同じ業務をやりたくない。」
その気持ちが再就職へのチャレンジを後押ししました。

実は、Sさんには定年後も前職で再雇用される道もあったとか。ただ、Sさんには気にかかることがありました。「これまで自分の部下として働いていた人間が今後は自分の上司になる。割り切れる人は割り切れるのかもしれませんが、私には難しかったです。前職での部下と上司がひっくり返る関係で同じ業務をやるのは抵抗がありました。どうせ若い人と一緒にやるのだったら一から関係を築く方が精神的には楽かなと思ったんです」。

Sさんが抱いた葛藤は、多かれ少なかれ誰しも直面する問題ではないでしょうか。長年会社のため、家族のために多少の我慢をしながら働いてきたからこそ、定年後は自分にとって居心地の良い環境でモチベーションの上がる仕事に取り組みたい…。シニア層の活用が広がっている今の時代こそ、一人ひとりの価値観に合った働き方が求められているのです。

長年のキャリアを活かせる業務と、納得できる収入の確保。
これを叶える環境がアルトナーにはありました。

Sさんがアルトナーを知ったきっかけは、再就職先を探しに行ったハローワークでした。「自分のキャリアを上手く活かせるところはないかと探していた中で、アルトナーの業務内容が自分に合っているように感じました。我々の年齢になると給料が低い所が多い中、希望に沿った金額だったのも大きかったです。キャリアと収入の両面が満たされるところに惹かれました」。

また、前職では残業が大変多く、若い頃はとてつもない仕事量を任されていたと言います。「就業形態は基本的には変わらないものの、作業時間は非常に減っています。定時で終われるのは楽ですね」。

「人生100年時代」に向けて、定年後のライフプランをどう考える?

日本人の平均寿命は年々延び、2007年に生まれた子供の半数は107歳より長く生きるとも言われています。定年後から100歳までの約40年という長い時間を考えると、老後の蓄えを増やし、生きがいを見つけ、人との繋がりを育むことは大切です。これを実現する一つの方法が再雇用・再就職です。今後益々、生涯現役を目指すシニアの方が増えていくのに従い、企業も社会もそれを支える環境を整えることが必要となっていきます。

また最近では、メーカーから技術者派遣会社に転職するエンジニアが増えてきているという現状もあります。異なる会社で様々な技術を磨くことによって、60歳を過ぎても、スキルアップも昇給も期待できるというのです。豊かなセカンドライフを送るためには、これまでのように企業にキャリアを作ってもらうのではなく、個人個人がオーナーシップを持ち、社内外の広い選択肢を視野に入れた働き方が問われているのかも知れません。

ソフトウェアの技術があれば、
業務内容は変わってもついていける。
息子世代の仲間と共にテストプログラムに奮闘する日々。

現在は車のエンジン制御用のコンピューターを設計しているというSさん。試作した物がきちんと動くかどうかの設計テストを4名のチームで行っています。入社当初は全くやったことのない業務内容についていけるか不安を感じていましたが、ソフトウェアのスキルとしてはアセンブラやC言語、デバックなどベースは変わらないので、何とか食らい付いていこうとスタートしたそうです。「今は不安や悩みはないですね。要求されたことに対してほぼ応えられるようになってきました。」と自信を持って話します。

職場では自分の息子と同世代のメンバーと一緒に働いているため、“上から物を言わない”など、相手に気を遣わせないよう心掛けているそうです。「皆さんよく勉強されている方達なので非常に面白いですよ。業務のスキルの部分に関しては学ぶ部分も多いです。例えば、ネットワークを介するテレビ会議などを部署内でも使っていますが、こういったものは前の会社では取り入れていなかったので、些細なことですが新しいスキルが吸収できて楽しいです」。

自分が次の人生でどんなことをやりたいのか。
そのためにどんなスキルが必要か。
40代~50代の内に考えておくべきです。

Sさんによると、前職の会社で定年になった方は、工事関係の人は工事部門の会社に行くといったように、自分のスキルとキャリアを活かしてそれぞれ転職を果たしたとのこと。新しい環境に向かうためには自分の武器を身に付けているほうがやはり有利に働くようです。

Sさん自身は40代~50代の時に通信教育を受けるなど、常に新しいことを学ぼうと心掛けてきました。今、その年代の方にアドバイスを贈るとすれば、「自分が次の人生でどんなことをやりたいのか、そのためにはどんなスキルがあったほうがいいのかを把握することです。私自身、エンジニアとして今充実して働けているのは、現場で長年に渡り設計開発の仕事をやり続けてきたからだと思っています。管理職についてしまうとどうしても仕事に忙殺されてしまうので、ネクストキャリアを考えるのが厳しくなります。会社にいる間に、いかに次のステップのスキルを磨けるかが重要なのではないでしょうか。」と話していました。

夢はゴルフのクラブチャンピオン!
趣味を充実させるためにも生涯現役で頑張りたい。

「実は趣味でゴルフのクラブチャンピオンを目指していて、趣味のために仕事をしていると言っても過言ではありません。仕事をして収入があるからこそ、安定して趣味ができます。そこが一番のモチベーションですね」。

今後の目標としては「常に時代の流れがあって、求められるスキルも変わっていくと思いますが、やはりその流れにきちんとついていける自分なりの勉強をしていきたいです。」とSさん。働き方改革で高齢者の就業者数が伸びていくことが見込まれる中、「趣味を楽しむためにも70歳ぐらいまでは働きたい。」と意欲を見せていました。

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