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サステナビリティ

夏休み小学生プログラミング教室は、文部科学省の「小学校プログラミング教育の手引」にも示されている内容です。

毎年、春と夏にCSR活動の一環としてアルトナーが開催しているプログラミング教室。実際にアルトナーでエンジニアにソフトウェアを教えているプロの研修担当者が講師を務め、プログラミングが初めての小学生でも、安心してこの教室に参加できるのが最大のポイントです。2019年8月「夏休み小学生プログラミング教室」は、横浜市内の小学校から4年生〜6年生が集い、新横浜にあるアルトナーの横浜事業所で開催されました。


アルトナーのプログラミング教室では、MIT メディア・ラボのLifelong Kindergarten グループによって開発された、子供向けのプログラミング言語「スクラッチ(Scratch)」を使用し、コンピュータの基本操作とプログラミングを楽しく教わることが出来ます。筆記用具以外は、パソコンもソフトもアルトナーが用意しているので気負うこと無く参加できます。
(取材・記事執筆:アルトナー取材班)

■開催概要
(開催場所)

(日時)
(対象)
(講師)

(授業内容)


■後援

株式会社アルトナー 横浜事業所
(横浜市港北区新横浜2-5-5 住友不動産新横浜ビル5F)
2019年8月1日(木)、2日(金) 13:00〜14:30
小学4年生〜6年生
株式会社アルトナー
ソフトウェア研修担当 齋藤智和(さいとうともかず)
「Scratch」(ビジュアルプログラミング言語)を使用したプログラミング授業

横浜市教育委員会

スクラッチで初めて学ぶ「タートル・グラフィックス」は
実は“オブジェクト指向”の基礎なのです。

プログラミング言語「スクラッチ(Scratch)」では、様々な機能を持ったコマンドのブロックを組合せて、視覚的にプログラミングを行います。コンピュータとスクラッチの基本操作さえ覚えてしまえば、自分のアイデアや表現したいことを「どうやって実現させればいいか?」ということに集中できる環境なのです。

このプログラミング教室で、スクラッチを使って学習するプログラミングは「タートル・グラフィックス(Turtle graphics)」と呼ばれているもの。スクラッチでは“猫”ですが、画面上の仮想的なタートル(亀)に、進む距離や方向、回転させる角度などのパラメータと呼ばれる数値を与えて動かし、その軌跡を図として描画していく方式です。これからプログラミングを始める子どもたちにとっては、とても興味を引く理解しやすい考え方ですね。

2020年度より始まる小学校でのプログラミング教育ですが、「小学校プログラミング教育の手引」の中に、5年生の算数での例として「プログラミングを通して、正多角形の意味を基に正多角形をかく場面」というのがありますが、このプログラミング教室の題材は、まさにそれを含んでいます。

タートル・グラフィックス(Turtle graphics)の歴史

1967年に、コンピュータを使って児童の考える力を養うためにLOGO(ロゴ)という言語が開発されました。それは主に8歳〜12歳の児童にも分かりやすいよう配慮されて設計されていました。

この言語の最大の特徴とされるのがタートル・グラフィックスで、タートル(亀)にコマンドを与えて図を描画します。この方式は、プログラミングでの現在の主流「オブジェクト指向」の、源流とも深い関わりがあり、スクラッチやEtoysを始めとする、現代の子供向けプログラミング言語にも、ほとんど同じ考え方で引き継がれています。

タートル(亀)に正多角形を描かせることが基本。
そこから発見できた規則性をプログラミングに活かします。

正多角形は、三角形、四角形、五角形〜とありますが、まずは正四角形を引くことから考えていきます。まずは、タートル(亀)を画面の中央に置きます。X座標(横)=0、Y座標(縦)=0が中央になります。

タートル(亀)が正四角形を描くのには、距離100直進し、左に『90度』曲がります。これを出発点に戻るまで『4回』繰り返せば、正四角形ができあがります。

では、正三角形はどうでしょう?タートル(亀)は距離80直進し、左に『120度』曲がります。これを出発点に戻るまで『3回』繰り返せば、正三角形ができあがります。先程の正四角形は『正4角形:360度÷4=90度』で、正三角形は『正3角形:360度÷3=120度』というように、ほかの正多角形も同じように、『正 n 角形:360度÷ n =曲がる角度』という規則性を発見することができます。

タートル(亀)の動きと描ける正多角形を学んだら、
スクラッチでのプログラミングに取り掛かります。

スクラッチでのプログラミングは、先程学んだことをそのままブロックに置き換えていく作業に近いです。この画像例では、タートル(亀)を座標の中心に置く最初の設定のかたまりと、タートル(亀)が進んで曲がるという基本的な動作を設定しています。

子どもたちに分かりやすい構造になっていますが、プログラミングをやったことのある人であれば、これがオブジェクト指向言語であることがわかるはずです。

さらにプログラミングを続けていきます。ちょっと難しそうに思う子でも大丈夫。講師の齋藤リーダーやアシスタントの今川マネージャーと羽田さんが、分かりやすく丁寧に教えてくれるので、心配することはありません。ステップ・バイ・ステップで楽しくプログラミングを学んでいけます。

最初に設定した「タートル(亀)が進んで曲がるという基本的な動作」に、冒頭で発見した正多角形を描くにあたっての規則性『正 n 角形:360度÷ n =曲がる角度』を組み込み、ペンの色や太さ、上げ下げを加えれば、正多角形を描くプログラムが出来上がります。「 n 」の部分に数字を入力してあげるだけで、正何角形でも描けるという便利なプログラムです。

正多角形を描画するプログラムは出来ましたが、その動作を開始させるためにはイベントとよばれる合図(タイミング)のようなものが必要なので、そのためのプログラムを用意します。

1つは「旗をクリックした時」に、画面をきれいにしてタートル(亀)の位置と向きを元に戻すプログラム。もう一つは「スペースキーが押された時」に正 n 角形の描画を始めるプログラムです。この2つを書いたら、いよいよ本当の完成です。

出来上がったプログラムを応用していけば
不思議な形やパターンも描けるんじゃないだろうか?

子供達は、正多角形を描画するプログラムを完成させたら、いくつかの課題にチャレンジして、その後は、それぞれが考えた図形やパターンを描画することや、簡単なゲーム作りなどに取り組んでいきます。


基本的なスクラッチのプログラミングは出来るようになっている生徒たちは、あれこれ試行錯誤しながらプログラムを書いていきます。

みんなの画面上には、それぞれが思い描いた図形やパターンが、出来上がっていっているようです。プログラミング教室に参加することは、思惑通りにコンピュータが動くという「達成する喜び」が感じられると同時に、想像力を養ったりコンピュータ・リテラシを向上させることに効果を発揮します。

授業後に実施されたアンケートから。

授業後に実施された、子供達へのアンケート結果で「これからもっとプログラミングを勉強したいと思いましたか?」の問に対して全員が「はい」と回答しています。2020年度より始まる小学校でのプログラミング教育の影響や時代を反映しています。

「どんなところが楽しかったですか?」の問に対しては、プログラミング教室のそれぞれのカリキュラム内容に、あらかた均等に回答されていることかわかります。正多角形プログラムもタートル(亀)グラフィック、不思議な図形、チャレンジと、実際にはどれも繋がっている一連の内容なので、興味を引く楽しい入り口が、カリキュラムのどこかには、必ず含まれているとも言えるでしょう。

「プログラミングでやってみたいことはありますか?」の問には、スマートフォンやタブレット用のアプリ作りに、ロボット用プログラムが続きます。この傾向は今後も顕著だと考えられます。

アルトナーは「エンジニアサポートカンパニー」を経営理念として掲げており、ソフトウェア分野では、システム、アプリケーションの開発に対応するエンジニアを育成するため、プログラミングの基礎・応用研修を実施しています。「人をつくり 技術を育み 技術者を通じ社会に貢献」していくため、今後も、CSR活動の一環として、プログラミング教育に取り組んでまいります。

「Scratch」は MIT メディア・ラボのLifelong Kindergarten グループによって開発されました。くわしくは 》 http://scratch.mit.eduをご参照ください。

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