Engineers Interview
AIを活用し、製品価値を高められる存在を目指す
次世代ミラーレス一眼カメラの新機能開発を担うエンジニアが語る、AIスキルアップへの挑戦

PROFILE
ハイバリューグループ
ソフトウェア
エキスパート補佐 W.S.
- ・大学院 システムデザイン専攻
- ・2021年 新卒入社
- ・20代
※役職・年齢・業務内容等は取材時のものとなります。
月面で使用する再生型エネルギーシステムの評価を経て、現在は次世代ミラーレス一眼カメラの新機能開発に携わるWさん。業務ではAIを活用しながら、構想設計や仕様検討などの上流工程にも取り組んでいます。今回は、これまでの経験や、AIとハードウェアの知識を深める取り組み、今後目指すエンジニア像についてうかがいました。(取材・記事執筆:アルトナー取材班)
学生時代の研究を通して、丁寧に考える力と周囲と協力して進める姿勢を身につけました
子どもの頃から医療ドラマが好きで、医療現場で人を助ける姿に魅力を感じていたというWさん。大学進学を考える中で、医療そのものに携わるだけでなく、ITやモノづくりを通して医療を支える道もあることを知り、エンジニアを目指しました。
Wさんは大学で情報系の学科を専攻し、情報技術の基礎を学びました。大学院では、超音波を用いてプレス加工中の材料変形を捉える計測システムの研究に取り組みました。所属する研究室では前例のないテーマだったため、一から考え、検証を重ねる必要がありました。その中で、丁寧に考える力と、抱え込まずに相談することで解決が早まることを実感したそうです。この経験は、現在の仕事で複雑な課題に向き合う際の「粘り強さ」と「周囲と協力して進める姿勢」に活きているとWさんはいいます。
月面のエネルギーシステム評価を経て、次世代カメラの新機能を開発しています
Wさんの最初の配属先は輸送用機器メーカーで、月面で人や探査機にエネルギーを供給する再生型エネルギーシステムの開発に携わりました。宇宙で限られた資源を循環させ、継続的にエネルギーを生み出すためのシステムです。Wさんは、地上で製作した試作機の部品テストやシステムテストを担当しました。
現在は精密機器メーカーにて、次世代ミラーレス一眼カメラに搭載する新機能の開発に携わっています。担当しているのは、カメラが被写体に自動でピントを合わせるオートフォーカスに関わる機能です。撮影環境や被写体の動きによっては、ピントを合わせにくいときもあります。そうした場面を減らすため、新しいアルゴリズムを開発し、カメラへの実装や撮影評価を通して性能を検証するのがWさんの仕事です。

オートフォーカスは、複数の要素技術が組み合わさることで成り立っています。Wさんはその中の1つの要素技術について、進行担当者として仕様の検討や開発計画の立案、関係部署との調整を行っています。関係者の中には技術的なことについて詳しくない人もいるため、前提となる知識から丁寧に説明し、認識の齟齬が生まれないよう意識しています。
これまでカメラにあまり触れてこなかったWさんにとって、カメラの新機能開発は初めて学ぶことの多い分野です。特に構想設計や仕様検討を行うには、カメラの仕組みや既存製品、お客様のニーズを深く理解する必要があります。所属する研究室で前例のないテーマに取り組んだ経験を活かし、新しいことにも抵抗なく向き合い、自ら調べながら知識を吸収できているとWさんはいいます。
AIとハードウェアの知識を、実務と学習の両面から深めています

Wさんは、コードの生成や修正、設計書の作成、説明資料の下書きなどにAIを活用しています。初期案を効率よく作成できるようになったことで、レビューや技術的な検討により多くの時間を充てられるようになりました。
また、現在は「E資格」の取得に向けて勉強中です。受験に必要な講習やテストを修了し、試験に向けた学習を進めています。AIを扱う部署で業務に携わる上で、機械学習や深層学習の仕組みを基礎から理解しておきたいと考えています。
一方、組み込みソフトウェアの開発では、ハードウェアの制約を理解することも重要です。例えば、カメラに新しい機能を搭載するには、アルゴリズムの性能だけでなく、計算量などハードウェアの制約も考慮する必要があります。どれほど高性能なアルゴリズムでも、カメラに搭載されたハードウェアで処理できなければ、製品には実装できません。
Wさんは現在の開発業務を通して、ソフトウェアとハードウェアの関係についても学び、製品の制約に適したアルゴリズムを選べる力を高めています。
1人のエンジニアとして、配属先との信頼関係を築いています
Wさんは、配属先からの期待に応え、信頼を積み重ねることを大切にしています。求められたことには素早く対応し、1つ1つの業務に責任を持って取り組んでいます。
また、立場の違いを必要以上に意識せず、1人のエンジニアとしてコミュニケーションを取ることを心掛けているというWさん。同じ部署だけでなく、異なる部署の方々と飲みに行くこともあり、業務外でも交流を深めています。立場や部署が異なっても、良い製品をつくりたいという思いは共通しています。同じ目標に向かう仲間として関係を築き、周囲から知識を吸収しながら仕事を進めています。
自分が関わった機能が、ユーザーの撮影体験の向上につながることがやりがいです
カメラは、開発した機能が一般のユーザーに直接届くBtoC製品です。自分が関わった機能が撮影体験の向上につながり、発売後のユーザーの反応を思い描きながら開発できる点が、Wさんのモチベーションになっています。現在担当している製品はまだ発売前ですが、社内で試作機を使用した人から「良くなったね」と言ってもらえたときには、開発の成果を実感できたと語ってくれました。
上流工程を自立して進め、製品価値を高められる存在を目指します
Wさんの1年後の目標は、仕様検討などの上流工程を自立して進められるエンジニアになることです。5年後には、新規機能の構想をリードし、AIも活用しながら製品価値を高められる存在を目指しています。