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エンジニアのサポートを通じて
エンジニア自身とアルトナーの価値を最大化し、
好不況に左右されない強固な事業基盤を築いて
100年企業を目指します。

2023年6月29日 代表取締役社長
関口 相三

技術者派遣業界パイオニアとしての歩み

 1953年、アルトナーの前身である「関口興業社」は、重工業が集積する兵庫県尼崎市で誕生しました。メーカー様に向けて主に設計図面の印刷サービスを提供していた関口興業社は、やがて設計図面のトレース、さらには設計へと業務領域を拡大。そして1962年に設計開発サービス専門の会社として「大阪技術センター(現アルトナー)」を設立しました。以降60年にわたり、マーケットに適した人財の採用・教育を実施し、エンジニアの成長をサポートしながら、技術者派遣あるいは請負・受託にて、マッチング精度の高いエンジニアをお客様に供給してきました。その後、労働者派遣法が整備され、派遣事業に対する社会的認知度が上がり、その派遣ニーズに対して多くの企業が設立される中、アルトナーは一貫して「エンジニアの成長」と「技術」にこだわり続け、技術者派遣業界のパイオニアとして確固たる地位を確立するに至っています。

市場環境認識と業績評価

 新型コロナウイルス感染症、ロシア・ウクライナ情勢、資源価格・為替の変動といった国内外の不安定な情勢下においても、当社は大きな影響を受けることなく事業活動を継続することができました。
 新型コロナウイルス感染症拡大初期には、お客様における新型コロナウイルス対応体制が整備されるまでの間、当社のエンジニアの配属が後ろ倒しになることもありましたが、お客様にて体制が整った後は、平時と変わらない需要状況下にありました。
 また当社の主要顧客である自動車業界は、足元の景気動向にかかわらず、先行開発を加速していく事業環境にあります。EV化をはじめとする「カーボンニュートラル」関連プロジェクトに積極的に参画し、実績を残してきた当社に対し、お客様からの技術者要請が加速しており、第61期(2023年1月期)は、売上高14.1%増、営業利益18.2%増、経常利益16.5%増と、9年連続の増収・増益となりました。

前中期経営計画の振り返り

 前中期経営計画(2021年1月期~2023年1月期)は、それまでの中期経営計画の延長線上にあり、前々中期経営計画を引き継いでブラッシュアップする形で進めてきました。2014年以降、リーマン・ショックからの本格回復を目指して、当社は事業モデルを刷新し、好不況に左右されない強固な企業体質への改善を図りました。それが顧客企業であるメーカー様の業務工程に対応する3つのセグメントグループ編成です。先行開発や研究開発業務を担当する「ハイバリューグループ」、設計に関する幅広い業務に対応する「ワイドバリューグループ」、品質保証や組み立て調整を担当する「プロダクトバリューグループ」という、3つのセグメントグループを編成することで、顧客企業に対してマッチング精度の高いエンジニアの供給を目指してきました。このセグメントグループ編成のブラッシュアップ、それが中期経営計画で引き継がれ、積み上げられ、現在に至ります。 
 この3つのセグメントグループ編成がアルトナーの特徴であり、強みでもあると感じています。競争が激しい技術者派遣業界において、なぜ当社が高収益を維持できているのかを紐解くと、需要・供給のボリュームゾーンである製品開発領域だけでなく、より高度な専門性が求められる研究開発領域に、高付加価値スキルを身につけたエキスパート人財を供給できるという強みが見えてきます。研究開発領域は対応できるエンジニアが少ない希少ゾーンです。期待に応える人財を供給できるアルトナーの強みをお客様と共有できていることが、価格に結びついていると考えられます。高付加価値の技術者集団として信頼と実績を積み上げていくこと、それが好不況に左右されない強い企業体質の構築・維持にもつながっていくと考えています。

「カーボンニュートラル」に
照準を合わせた新中期経営計画

 近年、地球規模で社会環境が変化し、TCFDの提言に基づく取り組みなど社会的課題への対応が重要な経営課題となっています。当社は新中期経営計画(2023年1月期~2025年1月期)において事業活動の柱に「カーボンニュートラル」を据えました。第60期に引き続き「カーボンニュートラル」に関連する電気自動車(EV)、燃料電池自動車(FCV)、自動運転、半導体関連を戦略重点マーケットと位置付け、そのための採用・教育・営業に注力していきます。そしてこれらの「カーボンニュートラル」に関連する技術開発プロジェクトに当社のエンジニアが参画することで、開発の進展や市場での普及を支え、「カーボンニュートラル」の実現に貢献していきます。
 これらのプロジェクトでは、ポテンシャルの高いエンジニアが求められ、採用競争が激化することが予想されます。そこで、マッチング人財の確保のため、新卒採用に偏重していた採用方針を変更し、新卒とキャリアの採用比率を1:1にバランスさせます。そして戦略重点マーケットに配属することで、高単価および収益へのリターンに結び付けていきます。 
 最終年度の業績目標は、売上高116億円、営業利益率14.0%です。営業利益率に関しては、実現の可能性が高いと考えています。一方、売上高は人員数に直結します。現在、アフターコロナに向け各企業とも採用意欲が高まっています。超売り手市場の新卒採用市場の中で、他業界も含めて採用競争は激化しており、その中でいかに3つのセグメントグループにおいてバランスのとれた採用を実現できるかが売上高に影響します。
 当社は採用した後に配属先を決めるのではなく、出口である配属先を想定してその条件に合う方々を採用し、エンジニアとしての教育・訓練を行って、プロジェクトへと配属します。スキルを重視したジョブ型雇用のアルトナーであれば、さまざまなプロジェクトを経験しながらいち早くキャリアアップできる点を訴求し、学生、求職希望者の共感を得て、激化するエンジニアの採用市況において目標達成につなげたいと考えています。

少子高齢化による採用環境の激化が課題

 技術者派遣事業においては、採用人数の確保および人財の質の確保が事業規模の維持・成長にとって極めて重要です。しかし少子高齢化の進展を背景に、採用環境はますます激化すると予測されます。その中で当社の成長性を維持してい
くための施策の1つが、請負・受託事業における協力会社の活用・組織化です。これによって稼働人員数を確保し、競争が激化する採用環境下でも経営の維持・成長の可能性を高めていきます。
 そしてもう1つは、新中期経営計画で基本施策としている「多種多様な人財活用の推進」です。具体的には、シニア・女性・外国人労働者(留学生)の活用を積極的に推進していきます。外国人に関しては、日本の大学での留学生を中心に採用活動を行っています。女性エンジニアはストックが十分とは言えず、子育てが落ち着いた女性の社会復帰も含め、その確保が課題となっています。多様な働き方を吸収できる環境の構築が必要であり、そのためには請負・受託事業の事業比率を高めていくことが必要だと考えています。

アルトナーの社会的存在意義

 2022年、当社はパーパスに「日本が世界に誇る財産であるエンジニアの成長、自己実現をサポートする。」と定めました。もとより当社は経営理念である「エンジニアサポートカンパニー。私達は技術者の夢をサポートします」に基づき、エンジニアの成長のために存在する企業体として事業を推進し、エンジニアのために何ができるのかを常に追求してきました。
 新卒で理工系の学部学科を卒業してエンジニアを目指したいという方のうち、メーカーに入社する以外の方々が私たちの業界に入社します。だからこそ、技術サービスとしてのエンジニアの在り方を企業体として提供していく責任があるだろうとずっと感じていました。エンジニアを志す人財を採用した企業として、エンジニアを育成し、エンジニアとしての成長や、やりがいをサポートすること、それがアルトナーの社会的存在意義だと考えています。
 当社は各セグメントグループの適性に見合った方を採用し、入社後はエンジニアとしてのさまざまなステージを用意します。そして成長プロセスに応じて各セグメントグループ間を移動できる制度を用意することで、エンジニア本人の価値を創造し、ひいてはアルトナーとしての価値創造につなげていきます。

次世代にバトンをつなげていくために

 SDGs、ESG、サステナビリティは、リスクを突き付けられるものであると同時に、未来の市場を創出、獲得するための機会でもあります。気候変動を含めた社会的課題の解決に向けた技術開発は、既存技術の延長線上で対応できる技術領域もあれば、イノベーションを起こさなければ対応できない技術領域もあります。その新技術でなければ対応できない課題に対して当社がサポートし、大きなビジネスチャンスに変えていきたいと思います。
 会社設立100周年(2062年)に向かうビジョナリーカンパニーとして、今、私たちがこの時代を預かっています。次世代にバトンをつなげていくために、事業環境を整備し、マーケットのニーズ変化に常に即応する企業風土を醸成していくことが、トップとしての私の責務だと考えています。この企業風土が引き継がれていけば、100年あるいはそれ以上、持続的に成長可能な企業になると考えています。常に経営理念に立ち返りながら、今後もエンジニアの成長と自己実現をサポートし、企業価値の最大化に努めていきます。

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