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テクノロジー

『EVバイク試乗体験勉強会 in 石垣島2023』レポート

アルトナーでは、技術革新のスピードにあわせて、いろいろな最新技術を学べるカリキュラムを用意しています。体験型研修では、開発・設計側目線だけではなくユーザー目線からモノづくりへの思考を育みます。アルトナーのハイバリューグループのエンジニアは、『CASE』を体験して自身の業務へのフィードバックを目的として、観光事業の一環としてEVバイクのレンタルサービスがスタートしている石垣島で、EVバイク試乗体験勉強会を実施しました。試乗後は、各自で感じた印象や考えを元に、意見交換を行いました。試乗体験を『CASE』ごとに、振り返っていきます。

参加メンバーの集合写真

Connected(つながる)

新たなモビリティ社会を実現させる『CASE』の開発が世界的に進んでいます。そのうちの1つである『Connected』は、自動車に通信機器やセンサを搭載して外部の機器や様々なサービスとつながる技術です。

試乗体験では、対応のキーを使って無線でバイクの始動ができ、さらに、バッテリーを積んだ座席シートも、キーのボタン操作で開くことができました。

島内に設置されたバッテリーステーションでは、稼働率モニタリングに基づく充電速度の調整が行われていて、バッテリーの寿命向上が期待されます。交換と充電がルーティーンで行われていて稼働率が高いため、充電されたバッテリーが常に利用可能である点は、便利であり安心です。

地図、天気予報、AIによる音声アシスト、音声検索、最寄りの充電ステーションの探索と案内、バッテリー残量と航続可能距離を考慮した充電交換通知などが、今後の必要な機能として挙げられます。また、各バイクの使用頻度をネットワークにつなげて管理することで、性能向上や整備効率を上げることにも貢献できると感じました。

対応のキーでバッテリーを積んだ座席シートを開く

Autonomous(自律化)

自動運転を意味する『Autonomous』は、自律化の度合いに応じて5段階に分類されています。現在、多くの自動車メーカーでは、車線を維持しながら前を走る車に追随するなどレベル2で市販化しています。

EVバイク試乗では、『Autonomous』に該当することはありませんでしたが、自動車同様にバイクでも可能であると考えられます。例えば、シェアリングサービスが発展したのちに指定した場所まで自動運転で来てくれるようになれば、誰もが便利に使えるようになります。また、人や車の多い地域で運転する際に、レベル1である自動ブレーキシステムがあれば、より安全に走行することができます。

Share & Service(共有)

『Share & Service』は、自動車を共同所有・利用したり、一般ドライバーの自動車に他者が同乗して燃料代などを負担しながら移動手段として利用することです。

今回のEVバイクは、保険もあり、レンタルで安価かつ気軽に乗ることができました。バイクを所有ではなく利用することで、メンテナンスなどの維持費がかからないことも、『Share& Service』のメリットです。また、バッテリーもシェアリングサービスであり、島内に5箇所程度あるバッテリーステーションには、充電済みバッテリーが多く確保されており、充電切れの心配がなく安心です。

充電ステーションのインフラ整備や、急速充電(実現できれば共有型-車載型どちらも対応可能)、企業ごとに異なるバッテリーの規格の統一化も課題だと感じました。

充電済みバッテリーが多く確保されているバッテリーステーション

Electric(電動化)

自動車の電動化を指す『Electric』は、世界で喫緊の課題であるカーボンニュートラル実現のカギを握る技術で、各メーカーは自動車のEV化を一層加速させています。

EVバイクは回生ブレーキによって航続距離を伸ばすことも可能で、回生エネルギー回収時にはバッテリー目盛が連続して動きメーターで確認できました。EVはガソリン代がかからないのでレンタル料金が抑えられていますし、構造がシンプルであるため劣化しにくいといったメリットもあります。50cc相当のバイクであるものの、走り出しの加速が驚くほど速く、スポーツモードなど運転を楽しめる工夫もされており、実際に加速力が上がったのを実感できました。

より長い航続距離の実現のためには、現在、研究開発中の全固体電池の実用化が必要だと考えます。実用化への課題としては、量産プロセスでのコスト、安全およびバッテリーの膨張収縮に耐えうるモジュールの開発が挙げられます。

走り出しの加速が驚くほど速い

全体を振り返って

バッテリーの交換システムは、現在の給油システムに比べて大きなメリットがあると感じました。今後、次世代電池による小型化・軽量化が進めば、EVバイクの設計の幅が広がり、ガソリンバイクに比べて快適性や安全性の面で向上すると考えます。そして、バイクと充電ステーションの連携強化によって、利用者はより便利に使えるようになると考えます。電動化が進むことで、自動車やバイクがエネルギーエコシステムの一翼を担うことができます。

今回、EVバイク試乗体験を通して『CASE』を考えることで、日々の業務における担当領域だけでなく、他領域への魅力や改善点など新たな知見を得ることができました。

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