代表取締役社長 CEO メッセージ

人財基盤と経営基盤を強化し、
高付加価値の技術者集団として成長を続けていきます。

代表取締役社長CEO 関口 相三

代表取締役社長CEO
関口 相三

12期にわたる増収・営業増益を達成

2026年1月期において、当社グループは12期にわたる増収・営業増益を達成しました。その主な要因は、主要顧客である自動車関連メーカーや半導体製造装置メーカーからの技術者要請が引き続き旺盛であったことに加え、高水準での単価改定を実現できたことにあります。
 当社の契約の97%強は既存顧客との継続契約であり、主な契約更新のタイミングは4月です。4月に締結する契約の中には、翌年度の単価改定も織り込まれているため、顧客企業における処遇改善の動きが、当社の契約単価にも反映されやすい構造となっております。昨今のインフレの影響もあり、多くの大手企業で従業員の処遇改善が進められており、労働力の確保に加え、従業員の生活の安定確保という観点から、改善が進む動きが見られました。実際にこの2年ほど、当社では例年にない高水準での単価改定を実現しており、それが好業績に大きく寄与しました。さらに、2027年1月期に向けた足元の交渉状況を見ても、2026年1月期と同等以上の単価改定を実現できる見通しです。
 当社グループの営業利益率の高さに関して、投資家の皆様から評価いただくことも少なくありません。しかし、これはエンジニアの給与を抑制することで実現したものではなく、単価という付加価値を着実に高めてきた結果です。売上総利益率が高まることで、労働分配率の向上を通じて人財への投資を強化しながらも、高い営業利益率を維持しております。
 また、人財確保という点では非常に厳しい市場環境が続いているものの、その中でも前年対比で技術者数を増加させることができました。その結果、稼働人員も前年を上回っており、こうした人財確保の積み上げも、継続的な増収・営業増益を支える重要な要因になったと考えております。
 加えて、中期経営計画(’26年1月期~’30年1月期)の主要施策の1つである請負・受託事業比率についても、目標に向かって着実に上昇しております。業種別では、当社の注力分野である自動車関連メーカーが属する輸送用機器の伸長が他業種に比べて顕著であり、技術分野別では主要顧客からの要請ニーズが高いソフトウェア分野の伸長が際立ちました。その結果、自動車関連メーカーや半導体製造装置メーカーが集積する関東エリアの伸長が、他エリアに比べて高い結果につながっております。こうした動きも、2026年1月期の業績を支えた要因の1つです。

新たな中期経営計画のもと、3つの基本施策を推進

2026年1月期を初年度とする新たな中期経営計画がスタートしました。中期経営計画では、「セグメント戦略の推進」「多種多様な人財活用の推進」「新たな事業・収益機会の模索」の3つの基本施策を掲げております。当社は、一連の施策を通じて、高付加価値の創出、人財基盤の強化、そして将来の成長機会の取り込みを同時に進めていきます。

基本施策①セグメント戦略の推進で、高収益基盤を強化する

基本施策である「セグメント戦略の推進」には、大きく2つの狙いがあります。1つは、高付加価値を継続できる基盤を構築することです。当社は、技術者派遣のハイエンド領域比率を50%へ高めることを目標に掲げております(2026年1月期実績:42.9%)。下流・中流から中流・上流へとエンジニアの配属ウェイトを高めることで、高付加価値を継続的に提供し、将来にわたる高収益企業の基盤を築いていきます。もう1つの狙いは、今後、起こり得るAIの躍進を見据え、AIに置き換えられにくい業務領域へ人財をシフトしていくことです。近い将来、一部の業務領域でAIの影響が顕在化し、求められる人財像や付加価値の在り方が変化していく可能性は極めて高いと見ています。AIに置き換えられにくい高度人財をどのように採用し、育成していくのか。現場の情報を精査しながら予測を重ね、その具体的な方向性を見定めていきます。

基本施策②多種多様な人財活用を推進し、成長を支える人財基盤を広げる

基本施策である「多種多様な人財活用の推進」では、その具体的な目標として、請負・受託の人員比率を30%まで拡大していくことを掲げております。今後ますます人財確保の困難さが強まる中で、当社の社員の活用だけでは、いずれ量的限界が来ます。そこで、請負・受託事業を拡大し、戦略分野においてこの比率を高めることにより、様々な人財の活用機会を広げていく必要があると考えております。
 また、この施策を進める上で、協力会社の拡充を進め、活用する人財の幅を広げ、派遣との相対関係に左右されにくい体制へと進化させていく必要があります。

基本施策③M&A・アライアンスを通じて、新たな事業・収益機会を取り込む

3つ目の基本施策が、「新たな事業・収益機会の模索」です。当社は、M&Aやアライアンスを通じて、総合技術サービス会社への進化を目指しております。その際、まず重視しているのは、当社のストロングポイント、ウィークポイントを相互に補完・補強できる相手であることです。2026年1月期にグループ化したクリップソフトと情報技研は、まさにそうした相手となります。具体的には、当社のストロングポイントである組み込みソフト領域はクリップソフトが強化し、ウィークポイントである機械系ハードウェア領域は情報技研が補完する関係にあります。
 また、業務提携先である富士テクノホールディングスとジャパニアスも、当社のウィークポイントを補い、ストロングポイントを強化する重要なパートナーです。こうした連携を通じて、当社単独では得がたい事業領域や機能を取り込み、総合技術サービス会社への進化を加速させていきます。

理念の親和性を土台に、AI時代を見据えたグループ経営と経営基盤の深化を図る

今後は、AIやIT領域に強みを持つエンジニア集団を形成していく必要があります。AIの基礎から応用までの研修を実施し、AIツールを活用できる人財の育成を進めてまいります。そのための体制整備にも取り組んでまいります。内部育成に加え、外部との連携によって必要な力を早期に取り込むことは、今後の競争力強化に向けた重要な課題です。そのため、将来的にはAIやIT領域に強みを持つ相手先とのグループ化やアライアンスも重要になっていくと考えております。
 その際に、当社にとっての相手先選定の大前提となるのが、理念の親和性です。「エンジニアを育成すること」「キャリアアップを支援すること」「やりがいを追求すること」そして「エンジニアの社会的地位を向上させていくこと」。これらは当社の根幹をなす経営理念であり、パーパスでもあります。その根底にあるのが、「人財が財産である」という考え方です。技術力・人間力の両方を備えた人財を育成していくことを基本方針として掲げており、AIをはじめとする事業環境が大きく変化する時代にあっても、この考え方は変わりません。
 当社は技術者派遣会社として、人財をお客様のもとへ派遣し、その技術力によってお客様の事業に貢献することで価値を生み出しております。言い換えれば、人財そのものが当社の事業基盤であり、競争力の源泉です。だからこそ、エンジニアの成長や、やりがい、社会的地位の向上をどのように捉えるかという考え方が一致していなければ、採用、育成、配属、評価といった事業運営の根幹にずれが生じ、真の意味での統合は難しいと考えております。
 こうした観点から、当社にとってクリップソフト、情報技研は、事業面だけでなく理念面でも非常に近い相手でした。だからこそ、2社がこれまで築いてきた理念や文化を大切にしながら、当社の基本施策に沿った戦略を進めていきたいと考えております。
 会社の規模の大小にかかわらず、互いの良いところに目を向け、学ぶべきことは素直に学ぶ。そうした姿勢が、グループとして共に成長していく上で欠かせません。そのため今後は、グループ会社間の様々な交流接点を、より意識的に増やしていきます。
 そして、こうしたグループ経営を支えていくため、エンジニアの増加に伴って管理部門を単純に膨らませるのではなく、DXやAIを活用しながら、より少人数で効率的な管理運営体制を構築していきます。

代表取締役社長CEO 関口 相三

長期ビジョン:会社と従業員の利益を一致させ、「選ばれる会社」を目指す

人財確保難や労働人口減少が全産業共通の社会的課題となる中で、当社が10年以上先を見据えた長期ビジョンとして目指す「ありたい姿」は、会社と従業員の利益が一致する仕組みを築き、「選ばれる会社」へと進化していくことです。福利厚生、給与、教育訓練も含め、制度を磨いていくことは、人財確保や定着率の向上に向けた重要な取り組みとなります。
 現在、検討を進めているのが株式報酬制度の導入です。会社の成長が従業員への還元にもつながるという点で、会社と従業員の利益の一致を具体化する施策になり得ると考えております。もう1つ重視しているのが、採用地と就業地の一致です。働く人にとって、自ら選んだ地域で就業できることは大きな価値があります。当社は、その実現可能性を広げる鍵が請負・受託事業にあると捉えております。事業拠点の整備や、地域に根差したグループ会社との連携が進めば、その地域で採用した人財がその地域で就業する選択肢が広がってきます。実際に、グループ化したクリップソフトは浜松・静岡、情報技研は宇都宮を地盤としており、採用強化エリアにグループ会社の拠点ができることは、採用地と就業地の一致の選択肢を増やす上でも大きな意味を持ちます。
 応募者が会社を選ぶ時代において、「選ばれる会社」であるための条件をいかに整えるかが、ますます重要になってきます。今中期経営計画の中でそのための制度や仕組みを構築することは、次期計画における強力な武器となるのみならず、その先の長期ビジョン実現を支える盤石な基盤になると確信しております。

成長と還元を両立し、株主の期待に応える

株主・投資家の皆様が当社に期待されているのは、持続的な企業価値の向上であると認識しております。その期待に応えるべく、まずは事業を成長させ、利益を継続的に拡大していくことが重要です。その上で、株主還元につきましては、配当性向50%をベースとし、前年割れのない累進的な配当を重視しております。また、当社は、株主還元の充実及び資本効率の向上を図るため2026年3月に自己株式の取得を実施し、2026年8月より、投資家の皆様がより投資しやすい環境を整えることを目的として、普通株式1株につき2株の割合で株式分割を実施いたします。当社を取り巻く状況を踏まえながら機動的に検討していく方針です。成長投資と株主還元を両立させながら、今後も積極的な対話と発信を重ね、当社の持続的成長への理解を深めていただけるよう努めてまいります。今後のアルトナーの成長に、ぜひご期待ください。

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