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アルトナーエンジニア

大学時代の数学の知識がエンジニアの現場でも活きてくる。面白そうだと思ったら違う分野でも挑戦してみることが大事です。

大学で数学を専攻していたO.A.さん(以下:Oさん)は現在、自動車メーカーで量産車をつくるための研究開発業務に携わっています。同級生の多くが卒業後は大学院進学や数学の教師という道に進む中、幅広い分野の業務を体験したいとアルトナーでエンジニアになることを選んだOさん。学生時代に学んだ数式や物理計算が意外にも顧客企業の現場で役立つことに気づき、仕事の面白さを感じているところです。
(取材・記事執筆:アルトナー取材班)

Profile

ハイバリューグループ
電気・電子 エキスパート補佐 O.A.

理学部 数学コース
2016年新卒入社 20代
〈役職・年齢・業務内容等は取材時のものとなります。〉

周りが数学系の進路を目指す中、アルトナーを選択。
理由は充実したサポートと常にスキルアップを図れる環境でした。

もともと理系分野が好きだったというOさん。大学進学に当たっては、数学か物理かという選択肢がありましたが、生物や地学なども勉強してみたかったため、最初の1~2年で理科分野の科目と数学の勉強をし、3年次以降に専門課程へ進むシステムの大学を選んだそうです。実際に大学の授業を受ける内に、数学に対する魅力を強く感じて専門コースへと進み、フーリエ級数や位相幾何学、多項式などの解析に力を注ぎました。

卒業後の進路は、大学院への進学や数学の高校教師を目指す同級生同様、Oさん自身も最初は数学の先生という職種にも惹かれたそうです。ただ、他にもっと面白いことがあればそちらに進みたいと考えていたため、畑違いの銀行や出版業界、営業職など、色々な会社の説明会にも積極的に参加しました。そんなとき、新しく何かを始めて、それが仕事に結び付く“エンジニア”という仕事に興味を持つようになったのです。

エンジニア系の会社をいくつか見た中でもアルトナーを志望したのは、「この会社だったら顧客企業に配属されてからも先輩エンジニアの下について仕事ができ、サポートが充実していそうだと思ったからです。」とOさん。また、どこに配属されたとしても、その場その場で新しい知識が身に付き、自分の中でのスキルアップに繋がる点や、自動車や医療など、色々な業界を経験できる可能性がある点も魅力に映ったようです。

最初の顧客企業での業務は初めて触れるようなことばかり。
先輩やクライアントを問わず、課題をクリアできるまで質問を重ねる日々。

入社後は物理が好きだったこともあり、解析に携わる電気系のエンジニアを目指すことにしたそうです。西日本ラーニングセンターで行われた研修中は実習で苦労することもあったと言います。「物理などを勉強していたので、ある程度理解しているつもりではいたのですが、技術として使うには今までと見方を変えなければならず、当初はそこに戸惑いを感じました。ただ、わからないところは研修担当の方や周りの工学系出身の同期が教えてくれたので、聞きながら取り組みました。」

研修後、最初に配属となった車載部品メーカーでは基板の部材の発注や部品の解析を担当。初めて触れるようなことばかりだったので、顧客企業の方やアルトナーの先輩に聞きながら覚えることが多く、毎日勉強の連続だったそうです。

「試験なども担当させてもらっていたので、以前の報告書を見ながら、“こういうものを準備しなきゃいけない”“こういう手順でしなきゃいけない”というのをあらかじめ把握するんですが、実際に自分で準備していると不足する部材があったり、うまく動かないことがあったりして。その都度、分かる方を見つけて、その場その場で教えてもらってやっていくような感じでした。」と語ります。

少し先の未来で走る量産車の解析業務を担当。
この現場に来てから視野が広がり、
多角的な設計ができるようになりました。

現在は自動車メーカーに配属されています。ここでは、車としてどういうシステムで動いているかという解析業務に携わっています。車の走行モードなどの全体的なことも知らないとできない業務が増えてきており、そこはまた新しい知識を習得してやっていきたいと言います。

また、1社目も2社目も電気回路を扱っているという点では同じなので、Oさんはその知識を生かして“こういう電子回路だとこういうふうに動く”など、仕組みに関しては昔よりも知識が付き、迷わずできるようになりました。

今の顧客企業に来て自分で成長したと感じる部分に、「視野が広がったところ」をOさんは挙げています。自分の部品だけでなく、他の部署で設計されている部品のことも知った上で、自分の検討の中に組み込んでいかないとならないため、少し遠くまで視線が届くようになったそうです。「自分が良いと思ったから大丈夫です、ではなく、自分の部品はこれで大丈夫です、他の部品が入っても大丈夫ですというように、あらゆる角度から検討した設計をしていくということは、ここに来てから身に付いた知識だと思っています。」

電気系のシミュレーション業務に「物理計算」が登場。
エンジニアとして働くようになって、数式が役立つ場面に出会えています。

仕事のやりがいを感じるのは、試作車ができてきたときに、自分のやっていたシミュレーションと車が同じ挙動を取ったときや、シミュレーションをしていて「ここはちょっと危険なのでこういう対策を入れたらどうですか」と提案したことが実際に設計の中に組み込まれてきたときだそうです。そういうときは「きちんと解析をして良かったな」と思う瞬間だと言います。

また、意外にも、数学科にいたときの知識が現在の業務に役立つこともあるそうです。電気系のシミュレーションを行う際はどうしても物理式などが出てくるので、それを手計算で解いてみるなど、Excelの計算と合っている、合っていないというのは、数学科で培った知識を使ってできることなので、その辺の計算面がこのような業界でも使えるというのはOさんにとって発見でした。一般に、数学科の人は就職先が限られてくるというイメージがありますが、Oさんはアルトナーに入社して、そんなことはないということに初めて気づいたと言います。「数学科自体は本当に基礎数学なので、学生時代はこの学びが何に役立つということは考えなかったのですが、実際にエンジニアとして働いてみて、この数式はここで役立っていたんだと改めて気付く面もありました。難しい電気系の式でも、数学のこれを使えば簡単に解けるんじゃないかとか、そういうこともあったりして。」と、自分の専攻と今の業務が結びつくところにも面白みを感じているようです。

教わる立場から、教える立場へ。
チームの一員として後輩の育成にも励んでいます。

アルトナー内のチーム構成でOさんはエキスパート補佐という立場に就いています。基本的にはリーダーであるエキスパートのもと、部下であるエンジニアがスキルアップしていけるかどうかを見守る役割です。「エキスパートが抱えている部下の中から、何人か私の担当エンジニアとして、その方のスキルアップのお手伝いをさせていただいています。各エンジニアから1年間のスキルアップ計画を出してもらっているので、その進捗の確認をしたり、年に何回かエキスパートが開く勉強会の運営を任されたり。」とOさん。入社後に培った経験や技術を活かし、今では後輩の成長をサポートしています。

大学の数学の知識を活かせるのは、
教育職や大学院の場だけではない。
全然関係ないと思う分野にも興味を持ったら飛び込んで欲しい。

自身が大学の専攻とは違う世界に入ったこともあり、これから就職活動をする学生に対しては、色々な会社を見た上で“ここ面白そう!”と思ったところに思い切って飛び込むのも大事なことだとOさんは伝えたいそうです。「働き出してから、大学で学んだことをそのまま仕事にするっていうのはとても難しいことであり、視野が狭まってしまうことになるのかなと感じています。全然関係ないと思っていた分野でも、自分が学んできたことを活かせる機会は気付いていないだけで沢山あると思うんですよね。」と言います。

Oさんのように数学・物理を専攻した人財がエンジニアとして挑戦していく姿を今後続々と見られるようになるかもしれません。

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