「新しく物を知る」ことが楽しいという価値観が、EV車用電池部品の分析業務に活きています。

「新しく物を知る」ことが楽しいというH.H.さん(以下:Hさん)は、現在、EV車用電池の研究開発プロジェクトに携わっています。その中でリチウムイオン電池用に開発された、電極などの新たに開発し、使用を検討している部材や部品を、電子顕微鏡などで分析する業務を担当しています。
(取材・記事執筆:アルトナー取材班)

Profile
ハイバリューグループ
機械 エキスパート補佐 H.H.

大学院工学研究科 電子・数物系専攻
2019年 既卒・第二新卒入社 20代
〈役職・年齢・業務内容等は取材時のものとなります。〉

光を物質に当てたときに、
どのような反応を起こすのかという
光物性分野の理論研究をしていました。

Hさんは大学で電子・数物系を専攻し、主に半導体など、素材の物理的な性質や物性を学んでいました。中でも、光を物質に当てたときに、どのような反応を起こすのかという光物性分野の理論研究をしていました。それは、複数の量子ドットが、光を出し合い相互作用することによって、どのような挙動を示し、どういった光を出し、吸収するのかという基礎研究です。研究が目指していたのは、量子コンピュータなどの計算に使えたり、応用できる可能性です。

研究のベースは数学のように論文や本を読み解いてゆく世界で、数式モデルのプログラムを書いてシミュレーションを行い、結果に対して考察していくという研究です。最終的にはその考察が卒業論文や修士論文になりました。

自身の専門ではなく、むしろ新しい分野に
挑戦したいと考えて仕事を探し出しました。

もともと「新しく物を知る」ことが楽しいという価値観を持っているHさんは、就職活動の際には、学生時代に研究していた自身の専門ではなく、むしろ新しい分野に挑戦したいと考えて仕事を探していたそうです。

そうして就職活動の過程でアウトソーシングエンジニアという働き方を知ります。同じ研究室の先輩が入社されていたことで知っていた、アルトナーの説明会への参加では、様々な企業で多様な製品に携われることがわかりました。何社かの面接を受けていく中でも、アルトナーの技術に関してのひた向きさや、実直そうな社風が、自身には合っていると感じたのが入社の決め手だそうです。

研修では実際に電気回路を作る実習など、
本気で学ぶことができて良かったと考えています。

電気系で入社したHさんは、研修では電気回路の座学から、実際に回路を組み立てる実習を行いました。基礎知識はあったものの大学時代には、電気回路を作る実習などはなかったため、本気で学ぶことができて良かったと考えています。わからないことも、研修担当者に聞きやすい雰囲気があり順調に研修を終えることができたそうです。

リチウムイオン電池に使用される新たな材料に含まれる
粒子や元素の分布状況を分析しています。

Hさんは、現在、EV車用電池の研究開発プロジェクトに携わっています。その中でリチウムイオン電池用に開発された、電極などの新たに開発し、使用を検討している部材や部品を、電子顕微鏡などで分析する業務を担当しています。材料に含まれる粒子や元素の分布状況を分析し、使用を検討しているチームに、その結果を報告します。わからないことがある場合は、まず一緒に配属されているアルトナーの同僚に相談し、それでもわからない場合には配属先の方に相談しているそうです。

Hさん1日の業務の流れ

Hさんは、出社後はまずパソコンでその日のスケジュールとメールを確認し、その後、分析室でサンプルを準備して、17時まで分析業務を行います。1つの材料の分析にはおおよそ半日はかかるそうです。

理論立てて自分で勉強し、
課題を乗り越えていくことにやりがいを感じています。

Hさんは配属から年月を経て、1年目には分析で気付かなかったことも、今では気付けるようになってきており、そこから自身が成長していることを実感しているそうです。今でも、まだまだ新しい発見と学びがある現場で、わからないものが沢山あるものの、それを苦労と感じるよりも、理論立てて自分で勉強し、乗り越えていくことにやりがいを感じているようです。

また、Hさんはアルトナーから配属されているチームで独自で勉強会を開いています。「今月はこれを調べましょう」というテーマを決めて、各自調べて、その調査内容を発表し合うという勉強会です。チームのメンバー間で、考え方や価値観の違いもあるので、紹介し合う専門的な論文や特許なども様々なことが勉強になっているようです。

分析装置をもう1種類増やし、
その装置で積極的に提案や助言ができるようになりたいと考えています。

Hさんの当面の目標は、業務で使用する幾つかある分析装置を、もう1種類増やし、配属先のお客様の知りたいことに対して、その分析装置を使って積極的に提案や助言ができるようになることです。また、現在の分析装置一つ一つの取り扱いや、解析方法なども突き詰めて行き、他の材料の分析もしてみたいと考えています。

Hさん自身はエンジニアの仕事を、誰かの考えや、要望、夢を支えるものだと考えています。そういう意味で、携わっているEVの「カーボンニュートラル」への貢献は世の中の望みなので、一端で支えたいと考えています。

エンジニアを目指す学生にメッセージ

自身の専門ではない、新しい分野に挑戦したいと就職活動を始めたHさんからエンジニアを目指す学生達へのメッセージです。「最初に、自分がこういう働き方をしたいというイメージを持って就職活動を進めはじめると思いますが、そこでもしうまく就職活動が進められていない場合には、企業の合同説明会などに参加して、たくさんの企業を知ることで、自分に合う働き方が見つかるかもしれません。ぜひ積極的に、今まで興味のなかった、知らなかった様々な企業の方の説明を聞く機会をつくってください。」

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