エンジニアを目指す学生へ。『4つ』のアドバイスをアルトナー研修担当から聞きました。

スマートグリッド(次世代送電網)、IoT、5G,AI、自動車の運転支援、エコカー、ロボットなどの、先進技術をテーマにしながら、アルトナーで講師を務める研修担当たちとの対談を行いました。その中から、これからエンジニアを目指す学生達が、学んでおくと良いこと、知っておくと良いことを『4つ』紐解き、まとめました。きっとそこには、あなたがエンジニアを目指すにあたっての、重要なヒントが含まれているかもしれません。
(取材・記事執筆:アルトナー取材班)

【1】いま世の中で、トレンドになっているテクノロジーは 興味を持って、積極的にチェックする。

いま世の中でスタンダードになっているテクノロジー、話題になっている次世代のテクノロジー。それらのトレンドは、どのようなエンジニアを目指すにしても、常に興味を持って積極的にチェックし、知っておくことがとても大切です。

そうすると、便利だったり、画期的だったりする1つの「名称」のテクノロジーも、使われている機器、動かすソフトウェアもシステムも多種多様で、随分と複雑に絡み合った構成になっていることが見えてきます。その中に、自分がエンジニアとして携わりたい部分が見つかるかもしれませんし、何より様々な技術の集合体になっている全体を、俯瞰して考えることができ、とても良い勉強にもなります。

自動車に興味を持ってみると、様々なテクノロジーが、総合的に把握しやすい。(ソフトウェア研修担当)

さまざまなテクノロジーのトレンドや、トピックスをチェックして、理解していくのに「車」に興味を持ってみるというのも良いかもしれません。というのも、まず車(自動車)そのものが、誰でもが知っている、とても身近なものだということ。そして、その自動車を中心に、様々なテクノロジーの、トレンドやトピックスが付随しているので、それら全てを総合的に把握していけるという点で、最適だと言えるからです。

例えば、自動運転、運転支援などは、自動車に特化されていますけど、そこには基本的に、IoTや5Gによる通信、AIなどのテクノロジーの話が含まれていますし、スマートグリッドにも自動車は登場するわけです。車を運転していない人でも、そういった技術が何処にどう使われて、何と繋がって関係しているのかは、自動車が一番、型にとらわれずに、いろんな面から想像しやすいし、解りやすいと思うのです。

例えばプログラムへの興味を、エコカーへの興味につなげるためには、やはり普段からの情報収集が大切。(ソフトウェア研修担当)

ソフトウェアやコンピュータのプログラムに興味があっても、そこから、例えば、いきなりエコカーに興味を持つかどうか、繋がるかどうかというのは意外と難しかったりします。ですからコンピュータが絡んでも絡まなくてもいいので、技術としてこれは面白いなとか、興味があるなということは、積極的に情報収集しておくことは大事です。

雑誌でもウェブでも、講演会を聴くのもいいでしょう。そこで、はじめて例えばエコカーに興味を持ったとしたら、ソフトウェアやプログラムで、何を勉強しないといけないかということを、おのずと考えて、調べるようになるわけです。まず第一歩がそこで、最終的に、どうしてもそれをやってみたいという意思があったとしたら、それはもう間違いなく自分の道になるのかも知れません。

興味のないことをいくら勉強しても自分のものにならないので、やっぱりこれは面白いっていうものを見つけるためにも、どのようなことでもいいので、世の中がどうなっているかを、技術的な進み方がどうなっているかを、探索してほしいなと思います。

数学と物理を勉強しておくと、チャンスが広がる。(機械研修担当)

入社してから、微分積分や線形代数を教えたりすることは出来ないので、まずは学生時代に、微分積分、線形代数や、統計学など、数学はしっかり勉強しておくことです。学生時代に統計学をやっていたら、例えばビッグデータなどを処理して、出てきたデータが何を意味していて、何の役に立つのか正しく判断することができます。

加えて、物理などを勉強している学生は、物事の本質を論理的に考えることが出来るという意味で、今後、ますます研究開発領域で有利になると思います。これらを、きちんと勉強しているかどうかというのは、エンジニアになってから、多分大きな違いになるんじゃないかなと思いますね。

最低1つのプログラミング言語は扱えるようにしておく。(ソフトウェア研修担当)

コンピュータの知識ということで「基本情報技術者試験」レベルの知識はまとめておいた方が良いということに加えて、少なくともコンピュータ上で動く言語を1つ、C言語でも、JavaでもPythonでもいいので、学んでプログラミング出来るようにしておくと良いと思います。

特に、こだわりが無ければ、C言語をおすすめします。C言語をベースに学んでいれば、コンピュータのメモリーを意識することになりますので、プログラミングの素地を身につけることができます。
素地があれば、Java、Python、それ以外の言語でもさほど苦労せずに習得できるでしょう。

【2】それは、なぜ動いているのか?どうして走るのか?と、 疑問に思うことを、自分で見つけて考える。

情報収集した中で出会った、何かのテクノロジーでも、身の回りで動作しているシステムや機械でも「それは、なぜ動いているのか?どうして走るのか?」というように、疑問に思うことを、自分で見つけて考えていくことは、とても重要です。

見つけた疑問に対して、今までの自分の知識では、答えが出ないこともあるでしょう。そこで、調べたり勉強することで、それが概要だったとしても、納得できる答えを出すことができれば良いと思います。自分の分からなかった部分は、何処だったのかを把握し、それを調べて勉強してゆく癖や、姿勢にこそ意味があります。

ボタンを押しただけで、そういう動作をするのは何故なのか?(電気・電子研修担当)

例えば、普段自分が使っているスマートフォンのゲームなどのアプリがあるとしたら、その課金の仕組みはどうなっているんだろう?という様な疑問があります。そうすると、そもそもインストールしたアプリケーションはどの様な扱いになっていて、何処と繋がり、認証され、その後どうなって行くのか?であるとか、それを支えているクラウド上のインフラはどうなっているのか?分からないことが沢山出てくるはずです。

あるいは、自分の今持っている物の材質は何で、色はどうやって出しているんだろう?であるとか、ボタンを押しただけで、そういう動作をするのは何故なのかなど、そいうことに興味をもつこと、疑問に思うことは大事です。それに対して、その仕組を把握する、深いところに目を留める癖を付ければ、技術力というのはどんどん上がっていくと思います。

研究開発領域で求められるのは、機械、電気・電子、ソフトウェア、それら全体を俯瞰で見ることができるチカラ。(電気・電子研修担当)

実際の現場で求められているのは、機械であるとか、電気、ソフトウェアなどのように、明確に区切られているのではなく、複合的なシステムの事なので、ミクロな部分というよりも、マクロな観点で全体を俯瞰的に見ながら、どういう風に仕上げていくかが課題になってきます。工学的な設計開発というよりも、トータル的なマネジメントであったり、設計工程を見通すようなことです。

機械があって、そこに電気部品が搭載され、ソフトウェアを動かして、1つのモノが動く世界。単体それぞれは存在するのですが、そこにはつなぎ目も存在します。そのつなぎ目は、機械も、電気も、ソフトウェアのことも分かっていないと、扱っていくことができません。特に研究開発領域というのは、ある程度出来上がっている部品1個1個を組み合わせて、どのように使っていくか、新しいものをどうやって生み出していくか、そこが重要になってくるので、分野に関わらず多角的にモノを見ることが出来るということが重要になってきます。

【3】資格も、あった方が良いけれど、
大切なのは考える力や、創造力を養うこと。

エンジニアになるために、必ずしも資格を取得しなければならいという訳ではありませんが、持っておいて無駄ということはありません。特に、システムやデータベース、プログラミングなども含む、コンピュータ関連の認定試験である「基本情報技術者試験」や、プロジェクトマネジメントやシステム監査、経営分析などのストラテジーの知識を多く問われる「応用情報技術者試験」などは、基本をしっかり押さえておくという意味で、取得する方が良さそうです。

同時に、それよりも大切に養いたいのが、考える力や発想力、想像力です。新しいモノや、難易度の高いモノを作る現場では、個々の基本的な技術に加えて、それらをどう扱い、どのように組み合わせれば良いか、という力が大きく問われるからです。

ベースになる「基礎」がしっかりある、出来ていることが重要(ソフトウェア研修担当)

やわらか頭で、どんどん新しい知識や技術を学んでいくような人、発想力や想像力がある人は、エンジニアに向いていると思います。しかし、実際の現場では新しいものを作ると言っても、まずは今あるものを理解して、真似をすることからスタートします。それだけに、ベースになる「基礎」をしっかり持っている、出来ていることが重要です。

そういう意味で「基本情報技術者試験」や「応用情報技術者試験」などは、経済産業省のしっかりしたスキルマップに則っているので、取得したほうが良いでしょう。
その上で、きちんとカタチにする力や、人間性、考える力や想像力などの、ヒューマンスキルを養っていくということです。

そのエンジニアに向いている仕事を考え、営業と研修担当が相談しながら、実務に近い研修もプラス。(機械研修担当)

アルトナーに入社してからの研修は、まず幅広い知識を学ぶのですが、その後、そのエンジニアがどういう仕事が向いているのか考えて、営業と研修担当が相談しながら、配属先の業務を想定して研修内容を組み立てます。そうやってターゲットを絞り込んでより深い研修を行い、企業に合わせた知識を身に付けてもらう体制を取っています。

さらに、本人のやる気が一番重要になってきますが、こういう仕事、こういう業務に就きたいという希望者、そのために基礎技術を自分で勉強しているエンジニアに対しては、キャリアカウンセリングで面談などを行い、積極的に配属提案なども行っています。

【4】社会人としてのコミュニケーション・スキルを意識していく。

コミュケーションと言っても、ぼんやりと、単に人としゃべれるという意味合いではなく、社会に出たら、お客様とのコミュニケーションも、沢山の人が関わり合って1つのモノを作ってゆく開発現場でも、それはかなり明確で重要なスキルとして要求されます。学生だったとしても、それがどういうコミュニケーションなのか意識しておくことは良いことだと思います。

報告、連絡、相談の3つも、大切なコミュニケーション(電気・電子研修担当)

コミュニケーションが取れる人というのは、きちんと人に聞くことが出来ますし、人も教えようという気になってくれます。単純なことのようで、社会に出ると、そこはかなり重要なポイントになります。よく言われる報告、連絡、相談の3つも、大切なコミュニケーションです。研修の場でも、課題に対しての報告、連絡、相談というかたちで、それが的確に出来ているかを見ながら、指導をしていきます。実際の研究開発領域では、沢山の人たちと意思疎通を図りながら、皆でベクトルを合わせてやっていかなければならないのです。

チームとしてアウトプットするためのコミュニケーション(ソフトウェア研修担当)

入社後の配属先には、お客様がいて、チームで仕事をすることになります。そこでは個人ではなく、チームとして、いかに品質の高いアウトプットが出来るのかが問われます。ソフトウェアの仕事では、上流工程、下流工程で、それぞれいろんな人たちが、いろんなことを考えているので、そのチームとしてのアウトプットのために、どうやってコミュニケーションを取っていくのかが、とても重要になってきます。それは1つの壁とも言えますが、上手に出来るようになったら、それは立派に身についたスキルとも言えます。

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