家電機器の設計開発》あらゆる家電がインターネットに接続され情報処理を行う世界。その接続デバイス数は爆発的に増えていきます。
家電といえば、冷蔵庫、洗濯機、エアコン、テレビなどに代表されるように、世の中に存在する様々な機器の中でも、最も人々の生活に身近な存在です。この家電機器の設計開発は、一昔前であれば上記に示したような一般的な“白物家電”そのものの設計開発を意味していたかもしれませんが、今はその意味合いが大きく変化してきてます。これからの家電機器の設計開発を行うエンジニアが、特に注目しておくべきこの「変化」について見ていきましょう。
(取材・記事執筆:アルトナー取材班)
この大きな変化は、家電にパソコン、スマートフォン、タブレットなどが加わり、そのネットワークの普及・拡大とともにインターネットの通信速度も向上し、各種センサー技術が進化してきたことが、一番の要因となる背景です。スマートフォンなどの通信デバイスのみに限らず、あらゆる家電がインターネットに接続され情報処理を行うことで、その利便性や機能性を向上させているのです。
それは正に「IoT=Internet of Things」と言われている、様々なモノがインターネットに接続されていく「モノのインターネット」世界の一端です。家電のみならず、自動車、ビルに工場など、インターネットに接続されていくデバイスは大きく増加しています。
インターネットに接続される機器が、
爆発的に増えていく家電の世界。
総務省の令和元年版「情報通信白書」第1部、第2節にある「IoTデバイスの急速な普及」の中で示されている「分野・産業別の世界のIoTデバイス数及び成長率予測(出典:IHS Technology)」によれば、2018年から2021年までの「コンシューマ」のデバイス数の年平均成長率は、17.6%となっています。「コンシューマ」は、パソコンやスマートフォンなどを除いた、一般的な家電・パソコン周辺機器・オーディオ・玩具・スポーツ・フィットネスなどを示しています。
家電の設計開発に携わるエンジニアには、
より総合的・複合的な知識やスキルが求められます。
このようにIoTによって、家電の設計開発のあり方も当然大きく変化していくことが予測できると思います。テレビも白物家電もスマートフォンも、あるいはデジタルカメラやプリンターまで、ありとあらゆる家電機器がインターネットに接続し、データのやり取りを行い、情報処理を行うようになっていきます。特にソフトウェアの開発が要となってくるのは必然ですが、機械や電気・電子の分野でも、インターネットへの接続が前提とされる設計開発が増加していくことから、家電の設計開発に携わるエンジニアには、より総合的・複合的な知識やスキルが求められるでしょう。
(太陽光蓄電システム)
制御ソフト開発
(太陽光蓄電システム)の開発
(鉄道施設情報)
ソフトウェア開発(写真、動画)
施策・評価・解析
カメラ等)の回路設計
エアコン等)の回路設計
(筐体設計、構造設計)
エアコン等)の設計開発
(筐体設計、構造設計)
ミニコンポ等)の設計開発
・光学読取装置の機構部の開発