産業機器の設計開発》グローバル化と省人化を背景に、「ロボット」の社会実装が進んでいます。
日本の様々な、製造業・産業を支えている産業機器業界。その生産力の要となっているのは、様々な工作機械やマシニングセンタ、緻密に設計された生産ラインと、そこに設置されたロボット、あるいは日本が誇る高精度な半導体関連の装置・設備など、その範囲と裾野は非常に大きなものとなっています。それらの設計開発は、機械はもとより、電気・電子、ソフトウェアなどが複雑に絡み合って成り立っています。
ここでは「ロボット」と「半導体産業」に関して注目してみます。経済産業省が2019年に取りまとめた「ロボットを取り巻く環境変化と今後の施策の方向性 〜ロボットによる社会変革推進計画〜」から、その急進的な市場の拡大の様と背景を見ると同時に、一般社団法人「日本半導体製造装置協会」の2019年度〜2021年度の需要予測から半導体産業の状況も見てみましょう。
(取材・記事執筆:アルトナー取材班)
産業機器業界で急進的に存在感を増すロボットのいま。
世界の産業用ロボットの販売台数は、2013年から2017年の5年間で2倍に増加しています。今後も年平均14%増が見込まれている急進的な成長分野です。そして、そのロボットの販売台数のシェアですが、なんと約60%が日本メーカー製(約38万台中21万台)なのです。
皆さんの記憶にある産業用ロボットといえば、自動車の生産で使われている姿かもしれません。確かに今までは自動車産業がロボットの最大の導入先でした。しかし、近年では、その導入範囲はどんどん拡がっていき、電気、エレクトロニクス、物流など、まさに「産業機器業界」においては無視することができない存在になっています。
ロボットの「社会実装」そのものを推進していく必要があります。
日本のロボットは、これまでも世界を牽引してきたことは確かですが、将来においてもグローバル化した世界での競争力を発揮していくことは、日本のロボット政策の基本的な考え方です。国外展開はもとより、その産業基盤の強化という視点からも、大企業はもちろん、中小企業になどへの導入を強化するなど、ロボットの「社会実装」そのものを推進していく必要があります。特に製造業における人手不足においては、外国人材の活用と同時に、自動化された機械や、ロボットによる省人化が重要になってきています。
「半導体製造装置」の需要は引き続き成長する予測です。
半導体産業といっても、それは半導体そのものを製造することと、半導体の製造に必要な「半導体製造装置」に大別できます。その日本製の半導体製造装置の販売高は、2020年度で10.4%増の2兆2,079億円で、2021年度も7.4%増が予測されています。この事実は、何より日本製の半導体製造装置が高性能・高精度であることの裏付けであることと同時に、世界的に見れば、従来からのPCやスマーフォン需要に加え、大量のサーバーやSSDが使用されるデータセンターの需要の上乗せ、中期的な視点で言えば、5G通信やIoT、自動運転にAIなどの技術革新などによって重層的な拡大が見込まれているのです。
「ロボット」と「半導体産業」。この2つのトピックスを知るだけでも、日本の産業機器業界の将来が少なからず見えてくるはずです。そしてこれから、この分野のエンジニアを目指すにあたってのヒントにもなるでしょう。
露光動作に関するアプリ開発
生産管理システムの開発
(シーケンス制御)
(半導体プロセス)
(関節駆動部、センサ)
(筐体の構想、基本設計)