その後を語ろうー1年半前に描いたキャリアは、今どうなっている?
1年半前にも登場いただいたメーカーから転職してアルトナーに入社した若手エンジニア3名。今回は、最先端の技術開発に挑む皆さんに、この1年半で得た成長や役割の変化、目標の進捗状況をうかがいました。また、新たに描き始めた将来の理想像についても語っていただきました。
(取材・記事執筆:アルトナー取材班)

ソフトウェア E.
大学院 理工情報生命学術院物質科学研究群
2023年入社 (メーカーから転職)
〈役職・業務内容は取材時のものとなります〉

ソフトウェア K.
大学院 環境科学研究科 先進環境創成学専攻
2022年入社 (メーカーから転職)
〈役職・業務内容は取材時のものとなります〉

ソフトウェア エキスパート補佐 T.
大学院 融合理工府 電気電子工学コース
2023年入社 (メーカーから転職)
〈役職・業務内容は取材時のものとなります〉

研究開発の最先端で活躍する3名の、今の仕事と役割の変化
現在、どのような仕事に携わっていますか?
E:資格取得をきっかけに、機械分野からソフトウェア分野に異動しました。現在は請負・受託グループで自動車のモデル制御を担当しています。お客様が作成したモデルを解析し、不具合がないかをチェックし、問題が見つかれば再検討や修正を依頼する業務に従事しています。
K:BEV(バッテリー式電気自動車) の開発プロジェクトに携わり、パワートレインの制御プログラムを設計・実装しています。 次世代のモビリティを支える技術に直接関われることに大きなやりがいを感じています。
T:燃料電池車のECUを対象にHILS環境を構築してテストを行っています。また、MILSとHILSのテストを自動化する仕組みを他社と共同で開発し、計測環境の設定からテスト実行までの効率化と品質向上のための工夫をしています。
※ECU:機能を実現するために搭載される電子制御コンピューターの総称
※HILS:ECUに実装されたソフトウェアを評価する環境
※MILS:仕様設計段階の制御モデルとプラントモデルで構成されたシミュレータ
この1年半で役割の変化はありましたか?
E:チームを取りまとめる役割を担うようになり、他メンバーの進捗の確認やサポートをする立場になりました。責任感を持つ必要があるからこそ、やりがいにもつながっています。
K:後輩が増え、教える立場になりました。実際に教えるとなると自分が理解しているつもりでも説明できない部分が見つかり、改めて学び直すことも多いです。結果として、自分の理解が深まり知識が定着しました。
T:2月からエキスパート補佐を任され、グループの進捗管理やフォローを担当しています。補佐役は全体を見渡す力が求められるため、視野が一段と広がりました。
1年半前に描いた目標、その成果は?

1年半前のインタビューで立てた目標は達成できましたか?
E:ITの知識を得た上で目に見える成果を自分で確認するために「応用情報技術者試験」と「E資格」を受験し2つとも合格しました。ソフトウェアの知識はほとんどゼロからの挑戦でしたが、努力を積み重ねた結果合格できたことで大きな達成感を得られました。k:「C言語能力認定試験1級」「応用情報技術者試験」「エンベデッドシステムスペシャリスト試験」「E資格」の取得に取り組み、知識の引き出しが大幅に増えました。「エンベデッドシステムスペシャリスト試験」ではハードウェアの知識まで幅広く学べ、「E資格」ではAIを体系的に理解できたことが大きな成果です。
T:「E資格」「応用情報技術者試験」に合格し、専門知識を身に付けるという目標については着実に前進しています。今後は「エンベデッドシステムスペシャリスト試験」に挑戦予定です。他にも学習中のものとして、JDLA認定講座の受講や機械学習に関係する参考書を用いた勉強、PyTorchでの実装演習、過去問演習などを継続しています。
壁を越えて見えた、新しい景色

この1年半で直面した困難や壁を、どのように克服しましたか?
E:大学でソフトウェアについてほとんど学ぶ経験がなかった私にとって、資格勉強そのものが大きな壁でした。過去問で点が取れず落ち込むこともありましたが、わからない点を1つずつ調べて理解を積み重ね、合格につなげました。
k:業務において、非常に複雑で読解が難しいソフトウェアの仕様を短期間で改修しなければならないことがありました。1年半前の自分であれば到底太刀打ちできなかったと思いますが、他部署のアルトナー社員に相談したり、資格勉強で得た知識を応用したりして取り組んだ結果、期限内に完成させることができました。「よく間に合いましたね」とお客様から声をかけていただいたときは嬉しかったです。
T:テスト自動化業務での複雑なエラー対応に苦労しました。複数のツールが絡み合う中で、原因を特定するには多角的な視点と粘り強さが必要です。チームや他社の方とも積極的に情報共有をしながら、様々な角度や知識をもって改善する力を養えたと思います。
この1年半を振り返って、成長を実感できたことは?
E:未知の分野に挑戦できる自信を得られたことです。「何がわからないかを明確にする→調べる→人に聞く→AIを活用して確認する」という自分なりのアプローチ法を確立できました。方法を工夫すれば必ず前に進めると思えるようになり、大きな自信になっています。
K:日々の積み重ねが自信につながるということです。私は毎朝4時半に起きて2時間勉強する習慣を2年以上続けています。続けるうちに自分の知識に裏付けができ、会議などで以前よりも自信を持って発言できるようになりました。さらに、ジム通いや登山で体を鍛える習慣も取り入れたことで、身体だけでなくメンタル面も整えられていると感じています。学びと体力づくりを両立できたことが、自分の成長を支えていると考えています。
T:技術面だけでなく、チームとの連携やコミュニケーションという面でも成長を実感しています。開発元など外部とのやり取りも増え、会議での発言機会も増えました。様々な意見を柔軟に受け入れられるようになったことも成長の1つです。
“働く・学ぶ・楽しむ”を両立させるそれぞれのスタイル

勉強や資格取得のための時間は、どのように確保していますか?
E:仕事が終わった後に勉強時間をとるようにしています。集中できるときは一気に取り組み、気分が乗らないときは短時間で切り上げます。周りを気にし過ぎず、自分のペースを大切にすることが長続きのコツだと思います。
K:私は早朝に勉強することを習慣にしていますので、勉強時間が仕事量に左右されることはあまりありません。業務前に淡々と勉強を継続しています。
T:私は土日にまとめて勉強するタイプです。周りにも勉強熱心なメンバーが多いので、負けられないという気持ちが自分のモチベーションにつながっています。
プライベートではどんなことをしていますか?
E:月に2回程度、同じアルトナーの仲間とフットサルをして汗を流しています。あとはフェスも好きで行くこともあります。
k:登山が趣味なので、休みの日に山に登っています。また、ミュージカル鑑賞や料理も好きです。休日の趣味が日々のモチベーションの1つにもなっています。
T:体を動かすこと全般が好きです。今年の夏休みにはアルトナーの社員や配属先の方と一緒に、群馬にキャニオリングに行ってきました。
未来を描く、次の1年・次の5年

1年後・5年後の理想像を教えてください。
E:1年後にはお客様と直接やり取りできる責任者を目指します。5年後には「エンベデッドスペシャリスト試験」を取得し、幅広く活躍できる人財になりたいです。技術力と管理者としての信頼の両方を確立させたいと思っています。
K:1年後にはAI関連のソフトウェア開発に挑戦したいです。5年後には技術士の資格を取得することを目標にしています。今後資格面では、ネットワークやセキュリティ、データベースといったITエンジニアに必要な知識を身に着けるべく、IPAの高度情報技術者試験の勉強に取り組んでいきます。また、AIを使ったコーディングやGitのようなツールの使い方など、手を動かして学ぶことも継続していく所存です。
T:1年後は「エンベデッドシステムスペシャリスト試験」を取得し、組込み系の知識を体系的に深め、資格取得を通じて専門性を高めていきたいです。5年後にはハードとソフト両面に精通し、チームを牽引できるエキスパートになるのが目標です。
エンジニアを目指す方へのメッセージ

E:将来の目標を明確にし、逆算して必要な知識を1つずつ積み重ねていくことが大切です。大きな目標にいきなり飛びつくのではなく、小さなステップを確実に積み重ねることで、気づいたときには大きな力になっています。焦らず、一歩ずつ進んでください。
K:分野を選ぶときは、これまで何をやってきたかよりも、これから何をしたいかを基準にするのがおすすめです。私は大学時代機械工学や材料工学を専攻していましたが、ソフトウェアの道に進みたい意欲が強かったためアルトナーで一から勉強し直しました。自分がやりたいことを選んだからこそモチベーションを保て、勉強習慣も身に付きました。やりたいことを追いかけるのが自分のためになると思います。
T:エンジニアに向いているのは、自分の意思で考えて行動できる人だと思います。やりたいことがあれば、方法がわからなくてもまず動いてみる。その姿勢が成長につながります。アルトナーには資格取得の費用補助や、先輩から学べる環境が整っており、挑戦する人を後押ししてくれる制度がたくさんあります。「成長したい」「新しいことに挑戦したい」と思う人にとって、最適な環境だと感じています。