キャリアとライフイベントとの両立。育休を経てさらに輝く女性エンジニア
産休・育休を経て職場に復帰したAさん。現在は仕事と育児を両立しながら、休暇取得前と同様に、自動車メーカーで高度な技術に携わりエンジニアとして活躍を続けています。2018年入社時に担当した新卒エンジニアブログを読み返し、「ゼロを1にすることを目指してほしい」という研修担当者の言葉に改めて気を引き締めたというAさんに、育休のご経験、そして現在の働き方についてうかがいました。
(取材・記事執筆:アルトナー取材班)

ハイバリューグループ
ソフトウエア A.M.
理学部 物理学科 大学院総合文化研究科 広域科学専攻
2018年 新卒入社
〈役職・年齢・業務内容等は取材時のものとなります。〉
育休は初めてのことだらけ。でも、先輩がいてくれたから安心できました
1年間の育休を経て、職場復帰したAさん。つわりが酷かったため、妊娠判明後すぐに上司へ相談したといいます。妊娠初期から在宅勤務に切り替え、体調を最優先にしながらも、引き継ぎ資料を懸命に整備したことをよく覚えているそうです。育休後の復帰については、技術面でのブランクに対する心配はあまりなかったものの、復帰後の配属先や通勤環境の変化については大きな不安があったといいます。
そんな中、育休経験のある先輩女性の存在がAさんの大きな支えになりました。育休に関する相談はもちろん、育児についてのアドバイスや情報共有もあり、女性同士のつながりの大切さを実感する機会となったそうです。実際に自宅を訪ねて離乳食や保育園探しについて相談したこともありました。アルトナーではエンジニア女子会なども定期的に開催されており、仕事だけでなくプライベートでも相談できるつながりが心強かったと語ります。
育休中は想像以上に多忙で、当初「子どもがお昼寝している時間を使って勉強しよう」と考えていた計画は一変。時間があれば体を休めることに専念していました。体調と相談しながら、結果的に1年間しっかり育休を取れたことで、心身の安定と子どもの保育園入園の準備を整えることができたとAさんは振り返ります。
戻る場所がある。だから安心して育休を取れました

復職後は在宅での自社研修からスタートし、約2カ月後にお客様先へ配属されました。携わっていたプロジェクトが終了したため育休前とは部署が異なったものの、一緒に異動したチームメンバーも多く、顔触れがほぼ変わらなかったことが復帰の安心感につながりました。
在宅を中心に業務にあたっていたAさんですが、特に復帰直後の秋〜冬は家族で次々に体調を崩し、しばらく外出できないこともあったそうです。それでも、勤務先の上司や一緒に働く仲間からは「今の時期はしょうがないよね」「お大事にね」と温かい言葉をかけてもらったことが心の支えになりました。当時を思い出すと、今でも感謝の気持ちが蘇ってくるそうです。
ブランクがあっても、大丈夫。技術や知識はちゃんと取り戻せます

復職後の技術面のブランクについて、「なんとなく勘が鈍った感覚はあったものの、取り残された感じはなかった」と話すAさん。在宅研修期間中に新たな現場で必要なスキルを事前に学ぶことができたため、スムーズに業務に入ることができました。 「技術はそこまで急激に大きく変化するものではありません。新しい技術が出てきたら、その都度学ぶという気持ちがエンジニアには大切だと思います」。 Aさんはそんな前向きな姿勢で、復帰後も業務と並行して知識のアップデートを続けています。
フレックスと在宅勤務で、子育てしながら働ける環境に感謝しています

Aさんの一日は朝7:30の出社からスタートし、17:00頃に退社するスタイル。業務内容はプロジェクトによって日々変化するため、あえてルーティンは決めていません。フレックスタイム制と在宅勤務を活用し、朝の準備や保育園の送りはご主人、お迎えはAさんが担当しています。「夫は家事も育児も私より得意なので、安心して任せています」と笑いながら話すAさん。夫婦で支え合う体制が、働き方の柔軟さとあいまって、安心してキャリアを継続するための大きな土台となっています。
また、子どものお迎えがあるため、「今日はここまで終わらせる」と目標を定めて集中するようになったことも、育児を経験したからこその変化だというAさん。効率よく働くことの大切さを実感しており、「仕事に対する集中力は、出産前より上がったと思います」と語ります。
Aさんは今後、ネットワークスペシャリストやデータベーススペシャリストなどの国家資格に加えて、E資格(AI・機械学習関連)や技術英検、統計検定といった専門性の高い資格にも挑戦したいと考えています。「勉強時間を確保するには、夫の協力も不可欠。もう少し子どもが手を離れたら、本格的に取り組みたい」と語ります。将来的には「子どもと一緒に勉強するのが理想」と笑顔で話してくれました。
育児で得た気づきを、次の世代へつなげたいです
育児によって、時間の使い方への意識が大きく変わっただけでなく、周囲の配慮や支援のありがたさを実感したと語るAさん。だからこそ、今後同じように産休・育休を取得する後輩ができたら自分も寄り添える先輩でありたいと考えるようになったそうです。また、先輩との女子会や、育児を通じたプライベートなつながりがあることも、女性エンジニアがアルトナーで働く魅力のひとつ。「子どもを持つと、話す話題も変わります。仕事面もプライベートも共有できる人がいるのは大きいです」と語っています。
育休取得を考えているエンジニアへのアドバイス

「育休は女性だけでなく、男性にもぜひ取得してほしいです。育休は申請後でも延長・短縮が可能。だからこそ、まずは1年取る前提で考えるのがおすすめです。復職後については、あまり心配しすぎなくて大丈夫です。アルトナーには、支えてくれる人がいます。一人で抱え込まず、まずは相談してみてください」。
育休を経ても、技術の最前線でキャリアを磨き続けるAさんの姿が、これから育児と仕事の両立を目指すエンジニアのロールモデルとなるはずです。
【産休、育休に見る働きやすい環境づくり。「育児・介護休業規程」という制度を中心に見てみましょう。】