日本語だけでなく日本の職場文化や価値観も伝えることで、当社に入社する留学生の不安を自信に変えたいです

Profile

能力開発本部
日本語研修担当
チーフ S.M.

40代
〈役職・年齢・業務内容等は取材時のものとなります。〉

ソフトウェアエンジニアとして約7年間現場で活躍してきたSさんは、2024年から研修担当として新たなキャリアを歩み始めました。現在はエンジニア向けの技術研修と、海外出身のエンジニア向けの日本語研修を担当しています。日本語研修では語学力だけでなく、日本ならではの文化や価値観も丁寧に伝えています。当社に入社する留学生が日本で自信を持って働ける土台づくりに力を注いでいるSさんに、アルトナーの日本語研修についてお話をうかがいました。
(取材・記事執筆:アルトナー取材班)

海外出身のエンジニアが持つ不安を自信に変えて現場に送り出したいです

アルトナーには、海外出身のエンジニアも多く在籍しています。日本の大学に留学し、そのまま日本での就職を選ぶ方も少なくありません。しかしながら、学生として学ぶことと社会人として働くことでは求められる姿勢やスキルが大きく異なります。そのため、日本語や日本特有の仕事文化に不安を感じる方も多いといいます。「日本語はある程度話せるけれど、職場で通用するか不安」「無意識に失礼な行動をしてしまわないか心配」――そんな声に寄り添い、不安を自信に変える場として設けられているのが、アルトナーの日本語研修です。

エンジニアとして活躍してきたSさんが研修担当に転身した背景には、「かつて自分が現場でつまずいた経験を、次の世代の力に変えたい」という強い思いがありました。日本語研修の場でも、失敗を恐れず活発なコミュニケーションができる雰囲気づくりを心掛けています。研修の段階で抱えている疑問や不安にしっかり向き合い、日本で働くための土台を築いたうえで現場に送り出したいというSさんの信念が、日本語研修の指導にも活かされています。

日本語だけではなく、「日本で働く力」も育てています

アルトナーの日本語研修では単に語彙や文法を学ぶだけではなく、日本の職場でスムーズにコミュニケーションをとるための“伝え方”や“文化的な前提”まで深く掘り下げています。報連相(報告・連絡・相談)の重要性や敬語の使い方、成果だけでなくプロセスも大切にする日本の職場文化には、母国とのギャップを感じるエンジニアもいるといいます。

たとえば、遅刻の連絡1つ取っても、Sさんは、単にルールとして伝えるのではなく、日本では信頼関係を重視する文化や価値観があることを丁寧に説明しています。海外出身のエンジニアが日本の職場についての理解を深め、納得して行動に移せるよう指導しています。

複数人の講師からフィードバックが得られることも、アルトナーの日本語研修の強みです。日常のコミュニケーションでは、間違いや改善点を指摘される機会が少なく、成長につながりにくいという課題があるとSさんはいいます。アルトナーの日本語研修では、こうした“気づきにくいズレ”を見逃しません。研修中のやりとりから、日本語に含まれる違和感を丁寧に拾い上げ、助詞の使い方や表現の選び方などを1つ1つわかりやすくフィードバックしています。

アルトナーの日本語研修の目的は、日本語力の底上げだけではありません。日本ならではの働き方や考え方に触れ、社会人として現場に立つ前の準備を整える大切な時間でもあります。

楽しく学び、自信を育てる工夫をしています

「学びは楽しくなければ継続しない」と語るSさん。アルトナーの日本語研修では知識をただ詰め込むだけではなく、体験型の学びを重視しています。その一例が「図形伝達ゲーム」です。複雑な図形を見た1人が、言葉だけで他のメンバーに伝えて再現してもらうというワークです。伝える順番や言葉の選び方、相手への伝わり方の違いに気づくことができ、「わかりやすく伝える力」が自然と鍛えられるとSさんはいいます。

また、ロールプレイでは、実際の職場で起こりうる遅刻やトラブルの報告時のシチュエーションを想定し、グループで実演を行います。ここでもきめ細やかなフィードバックを通じて、エンジニアが「こうすればもっと伝わりやすくなる」という気づきを得ることができています。研修を受けたエンジニアからは「他の方の日本語を聞くことも勉強になる」「発音に自信がついた」「使える言葉が増えた」という声も上がっており、彼らの語学向上に確かな効果を生んでいることがうかがえます。

一人一人に合わせた丁寧なサポートをしています

アルトナーの日本語研修のメリットは、個々の日本語レベルに応じたサポートがあることです。語彙や文法の理解度、発音の正確さ、会話への苦手意識などは人によって異なるため、画一的なカリキュラムでは対応できないケースもあります。そのため、文法に自信がある人には発音練習を、会話に苦手意識がある人には「1日1人に話しかけてみよう」といった小さな行動目標を設けるなど、一人一人に応じた段階的な成長を支援しています。Sさんが指導した海外出身のエンジニアの中には、休憩時間に日本人とプライベートな会話ができるほどコミュニケーション能力が向上した方もいるそうです。

研修では「改善点だけではなく、できたことを伝えることを大切にしている」と語るSさん。間違いをただ指摘するだけでなく、良かった点や前よりも成長した部分を具体的に伝えることで、前向きな学びにつなげています。自信を失いかけていると感じた方には、「言葉が完璧でなくても、伝える姿勢があれば大丈夫。」と声をかけています。そんなSさんの言葉と温かい人柄に、背中を押された方も少なくありません。「以前は、人に話す前にはメモ等で入念に準備をしておく必要があったが、今では頭の中で考えながら話せるようになった。成長を実感できたのは日本語研修のおかげ」という声もありました。彼らの成長を目の当たりにできることが、Sさんのやりがいや喜びにつながっています。

日本でエンジニアを目指す留学生へのメッセージ

留学生の多くは「日本のモノづくりのレベルの高さに惹かれた」「グローバルな環境で挑戦したい」といった思いを胸に来日しており、その意欲に日々刺激を受けています。留学生の皆さんは、日本の社会しか知らない人にはない、多角的な視点を持っていることが強みです。これは、モノづくりの現場でも大いに活かされる力だと思います。
誰にでも失敗はあるものです。だからこそ、失敗を恐れず、思いきってチャレンジしてみてください。その経験のひとつひとつが、きっと将来の成長につながるはずです。
日本語や日本の文化に不安がある方も、私たちアルトナーの日本語研修担当者が丁寧に指導しますので安心してください。日本のモノづくりに少しでも興味がある方は、ぜひその第一歩を踏み出してほしいです。お会いできるのを楽しみにしています!

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