ITエンジニアの本質とは何か──相手のニーズを汲み取り価値を形にする仕事

ITエンジニアの現場では、コミュニケーションによって相手の意図を汲み取り、考え、価値を形にしていく必要があり、そこには想像以上に幅広い役割と力が求められています。
今回は、最前線で活躍する3名のエンジニアに集まっていただき、ITエンジニアの仕事の実態や、求められる力について語っていただきました。
(取材・記事執筆:アルトナー取材班)

Profile
ハイバリューグループ
ソフトウェア A.T.

農学部 地域環境科学科
2023年新卒入社 20代
〈役職・年齢・業務内容等は取材時のものとなります。〉

ハイバリューグループ
ソフトウェア K.T.

理工学部 管理工学科
2024年既卒・第二新卒入社 20代
〈役職・年齢・業務内容等は取材時のものとなります。〉

ハイバリューグループ
電気・電子 O.H.

工学部 電気情報工学科
2025年新卒入社 20代
〈役職・年齢・業務内容等は取材時のものとなります。〉

ITエンジニアのイメージとは?

──みなさんが考える「ITエンジニア」のイメージとは?

A:今はITがかなり広い領域に浸透しているので、個人的にはITという言葉はあまり意識していません。強いて言えば、高度な技術を活用して様々なシステムを支えるエンジニアというイメージですね。

O:自分の中では、ITエンジニアと聞くと「プログラミングを用いて業務を行うすべての人」を思い浮かべます。
電光掲示板を例にすると、プログラミングで電子的に制御するモノをつくる人、というイメージです。文明の利器にはすべてITが活用されているため、社会インフラも含め支えているのがITエンジニアではないでしょうか。

K:ITエンジニアがノーコードのアプリケーション開発や人とのやり取りが占める割合が意外と高いことは、イメージとのギャップかもしれません。
私がITエンジニアにとって重要だと思うのは、相手とコミュニケーションを取りながら「こういう機能が欲しい」というニーズを取り入れていく力です。また、生成AIにどういう指示を出すかといったスキルもこれからさらに重要になってくると思います。

ITエンジニアにおけるコミュニケーションの重要性

──ITエンジニアにとって、コミュニケーションは重要ですか?

A:Kさんからコミュニケーションの話が出たように、私はITエンジニアにとってコミュニケーションスキルは非常に大事だと思っています。
まず、自分がどういうものを作っているのかを説明する必要がありますし、相手が何を求めているかを考えながら話す必要もあります。
使う人が何を欲しいかを理解して、それに合わせて製品を作るという感覚がないと、どれだけ技術があっても使いにくいものになってしまいますよね。

O:そのとおりですね。私はコミュニケーションスキルの中でも、特に言語化能力が大事だと感じています。論理的に説明する能力ですよね。
自分が開発した仕組みを実際に実装する方にわかりやすく伝えることがとても重要だと思っています。

K:ITエンジニアにとって、コミュニケーションはそこまで重要じゃないと誤解されることもあるのではないでしょうか。そうではないということは、もっと知られて欲しいですね。

「IT」を再定義。ITをどう捉えるか

──みなさんにとってITとは?

K:ITというと、以前はかなり最先端の未来のテクノロジーというイメージが強かったと思います。ですが、実際にITエンジニアとして働いてみると、もうすでに現在のテクノロジーになっていて、社会や自分の周りを支えている身近なものでもあると感じています。Oさんはどうですか?

O:自分の中では、ITは一種の言語化手段というイメージがあります。複雑な現実のシステムを、客観的に説明するための切り口がITです。
システムの根幹であることもあれば、アナログなシステムや巨大システムを理解するためのインターフェースであることもあります。
身の回りの環境をクリティカルにより良くしていく。その実現手法の一種としてITがあると思っています。AさんにとってITとは何ですか?

A:生活に欠かせないものではないでしょうか。たとえばスマホのような存在ですよね。テクノロジーを使って生活しているのが当たり前になっていて、なくなったら困るもの、というのが私の持つITイメージです。

ITエンジニアに求められる力

──ITエンジニアにはどのような力が求められますか?

O:自分がどんなものを作れるのかという技術力の幅を広げていく力は重要だと思っています。
また、自分が手を動かしている部分と、実際に起こることのスケールの違いを認識することも大事です。小さな設定でも製品全体に影響が出て、場合によっては人命にも関わることも考えられます。最終的な目的を常に考えることが重要です。

K:もちろん技術力も大事ですが、使いやすいものを作る力が重要だと思います。機能としてはすばらしくても、使いにくければ意味がありません。そのためには、コミュニケーションを取って相手の希望を汲み取ることが大切です。
また、主体的に動く姿勢も大事だと思います。言われたものをそのまま作るだけだと、意図とずれてしまうことがあるので、自分から確認したり提案したりすることが必要です。
個人的に、特に1年目は技術力やコミュニケーション能力を優先し、それ以降はより価値を高めるために主体的に動くことが重要になってくると思っています。

A:私もKさんと同じく、相手が何を求めているのかを把握することが一番大事だと思います。
ユーザーがどう使うのか、どういうものを求めているのかを考えて、それをどう形にするかというところから出発する必要があると思っています。 そのために、機器に関する知識はもちろんのこと、ユーザーに安心感や満足感を届けるために何が必要かを考える力が、ITエンジニアに求められるのではないでしょうか。

困難を乗り越えた経験から得たもの

──ITエンジニアとして、困難を乗り越えたエピソードはありますか?

A:開発中に、致命的な危険なシステムバグが出たことがありました。ただ、その状況がなかなか再現できなくて、何が原因なのか全くわからなかったんです。
どうやったらバグを再現できるかを、何度も繰り返し検証して、200回目くらいでやっと再現できました。1週間かかりましたね。原因がわからないと対策もできないので、ひたすら検証していくしかありませんでした。
一口にバグといっても、車両システムには様々な制御が絡んでいます。どこが原因なのか1つずつ切り分けていくのが大変でした。最終的にバグが出ない形で納品できてとてもほっとしました。

K:私は、配属されて初めて作ったツールで「使いにくい」と言われたことがあります。機能としては合っていたのですが、操作性が低いというフィードバックをもらいました。
今思えば、正直、言われた通りに機能を作ればいいと考えていたと思います。使いにくさを指摘されて、どう使いたいのかを、しっかりコミュニケーションを取って改めて聞き直し、作り直しました。それ以降は、機能だけではなく使い方まで考えるようにしています。

O:私は、配属されて間もない頃に、製品が法規を満たしていないことが判明するトラブルがありました。見つかった部分だけでなく、他の箇所も法規を満たしているかをすべて洗い出して確認する必要が出てきたのです。まだ製品の理解が十分ではない状態だったので、製品の仕様と法規の内容を1つずつ照らし合わせ検証しました。そのおかげで製品をより深く理解することができたと思っています。

アルトナーで働く中で感じるサポート

──アルトナーのサポートで役立っていることは何ですか?

A:今の配属先にアサインしてもらえたことですね。今の仕事に満足しているので、率直に感謝の気持ちがあります。
事前に自分の希望をヒアリングしていただいたうえで、私の経験が役に立つ、上流工程に関われる配属先を提案していただいたと感じています。

K:私もAさん同様、今の配属先を紹介してもらえたことは大きかったです。ITエンジニアというとIT企業で働くイメージが強かったので、自動車メーカーで今のような仕事ができるというのは、自分の中で仕事や社会に対する視野が広がったと感じています。

O:私は、新入社員研修で教えていただいたことが、業務の中で役立っています。
特にSimulinkというツールを、新しいシステムを考える際に構造を分解して整理するために使っています。自分の思考を整理するツールとして活用しています。

K:社内で開催されている講座やセミナーで、ツールの使い方や今後の技術動向について知ることができるのもありがたいです。資格取得に向けた勉強会もあり、そうした点でもアルトナーに支えられていると感じています。

ITはすでに社会や生活の中で、様々な場面を支えています。
ITエンジニアは、今ある技術をさらに進化させ、身の回りや世の中をもっと便利により良くしていく仕事です。

また、今回の座談会を通してITエンジニアの役割の広さと奥深さも見えてきました。
相手の希望やニーズをくみ取り、使いやすさを考え、成果物として形にし、そしてわかりやすく伝える。
そうした一連のプロセスそのものも、ITエンジニアに求められる重要な仕事なのだといえるのではないでしょうか。

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